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幻影の胡蝶 〜桃源郷の寵妃達〜
第4章 美しき桃源郷
胡蝶を見つめて、触れている手は優しく包んでいる。
この状況を胡蝶は分かっている筈なのに、敢えて無視をしようとしている胡蝶の気持ちを、玄武は尊重した。
「部屋付きになる子は俺が選んでいて、彼女達はもう少しだけ桃源郷で過ごしたら、転生出来そうな子達なんだ。」
「?なんで玄武様がそんな事分かるんですか?」
胡蝶が不思議そうに玄武に問うと、胡蝶の手を少し強めて握った。
「俺は人の心が読めるんだ。」
真剣に自分を見て語る玄武に、胡蝶は一瞬固まった。
は?
今この人はなんて言った?
戸惑ったまま固まっている胡蝶を見て、さらに玄武は笑って言った。
「四神達はそれぞれ能力を持っていて、朱雀は【女人の思い人の姿になる】。
俺の能力は【人の心が読める】だよ。」
「………………。」
と言う事は……。
胡蝶の頭の中に、今までの玄武への悪態が一斉に過った。
そう自覚した途端に、胡蝶の顔は真っ青になる。
「ははっ、無能な上司は笑ったよー。
確かに下の者まで気を使えてない俺らの責任だからねー。」
笑って玄武は言っているが、手を握られている胡蝶は恐怖で固まっている。
「………申し訳ありませんでした……。」
胡蝶は深々と頭を下げて、玄武に許しを乞うた。
「……謝らないでよ。」
そんな胡蝶の顔に触れて、玄武は胡蝶の顔を上げさせた。
「胡蝶は心で思ってた事が顔に出てて、隠そうとしてなかったよ。
そんな真っ直ぐな胡蝶がとても気に入ったんだ。」
玄武の表情は、その言葉に嘘は無いように穏やかに笑っていた。
心では違う事を考えながら、四神達に近付く女人は沢山居る。
だけど胡蝶は思った事を素直に顔に出して態度で示してくれる。
それだけで玄武は一緒に居るだけで、随分と心が軽かった。
この状況を胡蝶は分かっている筈なのに、敢えて無視をしようとしている胡蝶の気持ちを、玄武は尊重した。
「部屋付きになる子は俺が選んでいて、彼女達はもう少しだけ桃源郷で過ごしたら、転生出来そうな子達なんだ。」
「?なんで玄武様がそんな事分かるんですか?」
胡蝶が不思議そうに玄武に問うと、胡蝶の手を少し強めて握った。
「俺は人の心が読めるんだ。」
真剣に自分を見て語る玄武に、胡蝶は一瞬固まった。
は?
今この人はなんて言った?
戸惑ったまま固まっている胡蝶を見て、さらに玄武は笑って言った。
「四神達はそれぞれ能力を持っていて、朱雀は【女人の思い人の姿になる】。
俺の能力は【人の心が読める】だよ。」
「………………。」
と言う事は……。
胡蝶の頭の中に、今までの玄武への悪態が一斉に過った。
そう自覚した途端に、胡蝶の顔は真っ青になる。
「ははっ、無能な上司は笑ったよー。
確かに下の者まで気を使えてない俺らの責任だからねー。」
笑って玄武は言っているが、手を握られている胡蝶は恐怖で固まっている。
「………申し訳ありませんでした……。」
胡蝶は深々と頭を下げて、玄武に許しを乞うた。
「……謝らないでよ。」
そんな胡蝶の顔に触れて、玄武は胡蝶の顔を上げさせた。
「胡蝶は心で思ってた事が顔に出てて、隠そうとしてなかったよ。
そんな真っ直ぐな胡蝶がとても気に入ったんだ。」
玄武の表情は、その言葉に嘘は無いように穏やかに笑っていた。
心では違う事を考えながら、四神達に近付く女人は沢山居る。
だけど胡蝶は思った事を素直に顔に出して態度で示してくれる。
それだけで玄武は一緒に居るだけで、随分と心が軽かった。