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幻影の胡蝶 〜桃源郷の寵妃達〜
第6章 寵妃になる為に…※
意外に…彼の姿を見ても平然としていられた。

最初はその姿に驚き傷付いたが、こうして冷静に見ていると、同じなのは姿だけであって、雰囲気も全て別の人だと分かる。







ただ、やはり朱雀と桔梗のあの夜を思い出せば腹が立ってしまって、胡蝶は思い切り洗濯物をバンと叩いた。








「………………。」

揺れている川に、胡蝶と朱雀の姿が映っていた。

胡蝶はしばらく、その川越しに、彼の姿を見ていた。








「……お前の好きな男は、そんな姿をしているんだな…。」

朱雀は同じ様に川に映っている自分を見て、ボソリと呟いた。

そこに映っている姿は、本来の自分の姿から遠く離れている。








バシャ!!

「!!」

胡蝶は思い切り洗濯物を川に叩きつけた。








2人の姿を映していた川は、大きく波を打って、その姿をかき消した。

「……はぁ……全く似ていないですよ朱雀様……。」

胡蝶はゆっくり立ち上がると、朱雀を見返した。








「あの人は、私の目の前で他の女人を抱く事なんでしません。」

一歩一歩胡蝶が近付くと、朱雀は少し体を後退りさせた。

「あの人は、自分の自尊心を守るために、私を傷付ける事なんて絶対しません。」







朱雀の目の前に立つと、胡蝶はグッと朱雀の胸を押した。

朱雀の体が少しだけよろめいた。

(少し押しただけで、よろめく様な人でも無い。)








胡蝶は目を伏せると、朱雀からも手を離した。







「貴方とは全然似てません。あの人はもっと心が強い人でした。」








胡蝶はそれだけ言うと、くるっと朱雀に背を向けた。

何か朱雀が言いたそうだったが、それを胡蝶は無視して、朱雀から離れるために歩き出した。







結局、朱雀は胡蝶に何も言わなかったので、彼が何を言いたかったのか胡蝶は分からなかった。



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