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幻影の胡蝶 〜桃源郷の寵妃達〜
第7章 西の虎【白虎】…※
ここ桃源郷では、皆んなが幸せそうに暮らしている。

辛いと……。

自分以外でそんな言葉を聞いたのは初めてだった。








「……好きな人と別れるのは辛いですよね…。」

「…君は好きな人が居るの?」

「…………………。」








どうだろう。

そうです。と答えたら、白虎は朱雀と同じ様に嫌な顔をするだろうか。








「辛いなら、俺が居てあげようか?」

「え?」








白虎は手を伸ばして、胡蝶の服を引っ張った。

胡蝶は仕方なく、横になっている白虎の前に座った。

白虎も寝そべっていた体を起こして、胡蝶の前に座る。









「……俺と一緒に居たら、前世の未練も無くなるよ。」

「そうなんですか?」

「…そう言う能力だからね。」








胡蝶の服を掴んでいた白虎の手が、胡蝶の手首を掴んだ。

胡蝶は、目を細めながら白虎を見た。









もし、白虎が、この混濁した気持ちを消せる事が出来るなら。

ここ桃源郷は、地獄では無くて、少しは住みやすい場所になるのだろうか。









「でも…、1つだけ約束して。」

白虎の顔が近付いてきて、唇が触れるのが分かった。

「それまでは、俺だけの女人でいて。」








居なくなってしまうなら。

せめて、その最後の瞬間まで、自分を見て欲しい。








その白虎の気持ちはよく分かる。

その目が、他の誰の物でも無く。

自分だけに向けられるなら。









そんな甘い時間はきっと。

全てを満たせてくれる。













不思議な感覚だった。








そのキスは、全ての感情を洗い流すような。

満たされる気分になる。








自分だけを求める異性の感情が。

どれだけ胸を高鳴らせるのか。

初めて知った。







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