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幻影の胡蝶 〜桃源郷の寵妃達〜
第7章 西の虎【白虎】…※
その甘美なキスに絆されそうになった。

それでも…やっぱり…。







胡蝶は白虎の胸に手を当てて、そのまま押し返した。

白虎の唇が離れて、胡蝶は少し顔を俯かせる。








まだ、忘れたくなかった。

もう生前の自分の名前さえ覚えてないのに。

彼と一緒に過ごした時間は懸命に覚えている。








彼の元に帰りたい。








「…まだ、気持ちがそこまで付いていけないです…。」

蘇る事を諦められなくて、白虎だけを見つめる事は出来なさそうだ。








「……朱雀の所には行かないの?」

「…もう会いましたけど、朱雀様は私と時間を過ごしたく無さそうでした。」

「?なんで?」








四神達は女人を区別する事は無い。

朱雀が胡蝶と時間を過ごさない事に、白虎は疑問に思った。









「…ああ…、君が胡蝶か…。」

そんな特別な出来事でも、納得してしまう【胡蝶】の名前。

胡蝶と口にしたら、白虎もまた顔を晒した。









「確かに、朱雀はまた【胡蝶】が他の男を好きなのは嫌がるだろうね…。」

朱雀の気持ちが分かる白虎は、少し苦笑しながら言った。








白虎は立ち上がって、自分に付いている草を払った。

やっぱり…。

胡蝶の名前を出せば、他の四神達もいい顔はしない様だ。








改めて、距離を置かれて、胡蝶は少し寂しい気持ちになる。

四神達が自分を見て欲しい様に、胡蝶だってありのままの自分を見て欲しい。







「………ここが辛くなったら、俺の所にくればいいよ。」

「……いいの?」







思いがけない白虎の言葉に、胡蝶はびっくりした様に顔を上げた。

目が合った白虎は、少しの笑顔を胡蝶に向ける。

「うん…、それが俺の役目だから。」
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