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幻影の胡蝶 〜桃源郷の寵妃達〜
第7章 西の虎【白虎】…※
胡蝶の目は、白虎と腕の中に居る鶯に冷やかな目を負けている。
これが桃源郷なのだ。
どんなに甘い言葉を投げかけられても、四神達が見るのは自分1人では無い。
だけどその目線を独り占めしたいと。
そう思った瞬間に、女人としての戦いが始まるのだ。
いつか、自分にも訪れるのだろうか。
全ての女人を排除しても手に入れたい四神が現れる。
しかしそれは。
どうやら今ではない様だった。
白虎の腕の中に居る鶯に、胡蝶はフッと笑った。
目線を上げて白虎を見た。
青い目と目線が絡む。
胡蝶の目は。
白虎では愛すべき1人の相手にならないと言っていた。
「……鶯……。」
白虎は掴んでいる鶯の腕に力を入れる。
いつもの優しい腕では無く、キツく掴まれた手に、鶯は顔を上げた。
「…屋敷に戻ろうか…。」
そう言った白虎は笑顔だった。
優しい目線の中に、少し揺らいだ青い炎に鶯は顔を顰めた。
「…胡蝶…。」
鶯の肩を抱いて、白虎は胡蝶に声を掛ける。
白虎と胡蝶の目線が再び絡んだ。
「…『またね。』」
そう言って白虎は鶯の肩を抱き、歩き出した。
今は胡蝶より、玄武から与えられた使命を果たさなければならない。
だけど、それが終わった時に。
またあの目に魅入られるのも悪くない。
いや、あの目は他の誰かと共有すべき存在では無い。
あの目は……。
唯一無二の寵妃になるべく者の目だ。
久しぶりに高鳴った胸に。
白虎は口元を、緩ませた。
これが桃源郷なのだ。
どんなに甘い言葉を投げかけられても、四神達が見るのは自分1人では無い。
だけどその目線を独り占めしたいと。
そう思った瞬間に、女人としての戦いが始まるのだ。
いつか、自分にも訪れるのだろうか。
全ての女人を排除しても手に入れたい四神が現れる。
しかしそれは。
どうやら今ではない様だった。
白虎の腕の中に居る鶯に、胡蝶はフッと笑った。
目線を上げて白虎を見た。
青い目と目線が絡む。
胡蝶の目は。
白虎では愛すべき1人の相手にならないと言っていた。
「……鶯……。」
白虎は掴んでいる鶯の腕に力を入れる。
いつもの優しい腕では無く、キツく掴まれた手に、鶯は顔を上げた。
「…屋敷に戻ろうか…。」
そう言った白虎は笑顔だった。
優しい目線の中に、少し揺らいだ青い炎に鶯は顔を顰めた。
「…胡蝶…。」
鶯の肩を抱いて、白虎は胡蝶に声を掛ける。
白虎と胡蝶の目線が再び絡んだ。
「…『またね。』」
そう言って白虎は鶯の肩を抱き、歩き出した。
今は胡蝶より、玄武から与えられた使命を果たさなければならない。
だけど、それが終わった時に。
またあの目に魅入られるのも悪くない。
いや、あの目は他の誰かと共有すべき存在では無い。
あの目は……。
唯一無二の寵妃になるべく者の目だ。
久しぶりに高鳴った胸に。
白虎は口元を、緩ませた。