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幻影の胡蝶 〜桃源郷の寵妃達〜
第8章 春を司る蒼龍【青龍】…※
私は何故、四神達の寵妃になろうとしたのだろうか。










「青龍様は、ちゃんと食事したみたいね。」

空になった食器を見て、歌姫は言った。









『貴方の名前を出したら、すぐに食事してくれました。』








その言葉を胡蝶は飲み込んだ。

だって青龍は、歌姫の名前を言わなかったら自分との情欲を楽しんだ。









それは。

たった一言。

食事をして欲しいという歌姫の言葉で簡単に覆された。









彼らの寵妃とはそういう存在なのだ。

朱雀が桔梗を。

青龍が歌姫を。

どんな風に愛しているかなんて知らない。








それでもたった一言名前を出せば。

彼らの全てが覆される様な。

きっとそんな存在なのだろう。









桃源郷の男性達は、皆優しく自分に接してくれる。

だけどそれが愛なのかはまた別の話だ。









彼らの触れる手は全て、胡蝶の為、女人の為。

空気を吸う様に当たり前の様に心地良い時間をくれるのだろう。









だけどその心は?








桃源郷に来て、しばらくしていなかったキスをした。

情欲に満ちたキスは、その体を簡単に震わせた。

一緒に過ごして欲しいと言ったキスは。

とても心地よくその心を預けた。








あれ?私は…。








どんなキスを望んでいたのだろうか。








私は何に満たされたのだろうか。







その感覚はまるで、幻想的なこの桃源郷の様だった。

『四神達の寵妃になる。』

その言葉に笑った玄武を思い出した。







胡蝶はその時初めてわかった。

彼らもまた1人の男性で。

女人の為の愛玩を演じながら、それでも確かな愛を寵妃に求めている。








『胡蝶に随分と不利なゲームだね。』








玄武の言葉が頭の中で繰り返された。
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