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幻影の胡蝶 〜桃源郷の寵妃達〜
第8章 春を司る蒼龍【青龍】…※
「あんた、私に何か言う事ある?」
「…別に…何も。」
舞鶴は、四天王に接近出来るように手を回してくれたのだろう。
だけど彼女に報告出来る様な。
そんな事は誰とも何も無い。
素っ気なくそう言う胡蝶に呆れながらも。
舞鶴は何も言わなかった。
彼女自身、胡蝶がそんなに早く四神達の心を奪えるとは思っていない。
だけど自分の直感は信じていた。
ただそれだけだ。
回された厨房は忙しくて、このひと時の時間さえ僅かな時間だった。
忙しく動かしていた体を休めたい。
舞鶴と一緒に居ても、胡蝶はそう思ってため息を吐いた。
「わぁ。朱雀様と桔梗様だ。」
そんな胡蝶に、舞鶴の明るい声が聞こえた。
舞鶴は顔を赤く染めて、憧れの芸能人を見る様な表情で2人を見ていた。
舞鶴の視線を追って胡蝶は朱雀と桔梗を見た。
朱雀と2人で会っても動かなかった心臓が再び鳴った。
ああそうか。
何故、2人で会った時に、この胸は何も感じなかったのか。
その答えが目の前にあった。
胡蝶の目線の先に居る2人は、ただ散歩をしていただけだった。
だけど朱雀が桔梗を見るその目は。
確かに愛しい人を見ている男の人の表情だった。
自分が好きな男が他の女を見ている。
朱雀と2人で会った時に見た目は、そんな気持ちが微塵もなく。
ただ胡蝶を見ていた。
愛おしそうに目を細めて、少し表情を緩めている。
好きな男がそんな風に他の女人を見ている姿に。
何度でもこの胸は悲鳴をあげた。
朱雀が他の女人と一緒に居る所を見れば、何度もこの胸は痛いほど高鳴る。
「…別に…何も。」
舞鶴は、四天王に接近出来るように手を回してくれたのだろう。
だけど彼女に報告出来る様な。
そんな事は誰とも何も無い。
素っ気なくそう言う胡蝶に呆れながらも。
舞鶴は何も言わなかった。
彼女自身、胡蝶がそんなに早く四神達の心を奪えるとは思っていない。
だけど自分の直感は信じていた。
ただそれだけだ。
回された厨房は忙しくて、このひと時の時間さえ僅かな時間だった。
忙しく動かしていた体を休めたい。
舞鶴と一緒に居ても、胡蝶はそう思ってため息を吐いた。
「わぁ。朱雀様と桔梗様だ。」
そんな胡蝶に、舞鶴の明るい声が聞こえた。
舞鶴は顔を赤く染めて、憧れの芸能人を見る様な表情で2人を見ていた。
舞鶴の視線を追って胡蝶は朱雀と桔梗を見た。
朱雀と2人で会っても動かなかった心臓が再び鳴った。
ああそうか。
何故、2人で会った時に、この胸は何も感じなかったのか。
その答えが目の前にあった。
胡蝶の目線の先に居る2人は、ただ散歩をしていただけだった。
だけど朱雀が桔梗を見るその目は。
確かに愛しい人を見ている男の人の表情だった。
自分が好きな男が他の女を見ている。
朱雀と2人で会った時に見た目は、そんな気持ちが微塵もなく。
ただ胡蝶を見ていた。
愛おしそうに目を細めて、少し表情を緩めている。
好きな男がそんな風に他の女人を見ている姿に。
何度でもこの胸は悲鳴をあげた。
朱雀が他の女人と一緒に居る所を見れば、何度もこの胸は痛いほど高鳴る。