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ポートレート – Portrait –
第4章 蝶になった小説家
「昨日、真衣ちゃんと話していて、僕はこれを思いついたんだよ。想像力豊かな小説家さんだし、綺麗に昨日の夕陽のように包んであげたかった」
「な…縄が体に密着して動けないんです…」
「だと思うよ。蜘蛛はそうやって獲物を捕えて離さないんだから…。真衣ちゃんにはぴったりでしょう?」
「ぴ…ぴったりですか…?」
「そう。紫は昔から王族や貴族に愛された色。知的な真衣ちゃんには合う色でしょう。そして紫には欲求不満って意味があるよ」
「えっ…?」
「真衣ちゃんを蝶として撮影したら、きっと綺麗だろうと思った。なかなか自分の魅力に気付かず、欲求不満だった蝶が、綺麗な翅(はね)を自覚して、飛んだら蜘蛛の巣に捕まってしまう。そんなイメージで考えていたよ」
「な…縄が体に密着して動けないんです…」
「だと思うよ。蜘蛛はそうやって獲物を捕えて離さないんだから…。真衣ちゃんにはぴったりでしょう?」
「ぴ…ぴったりですか…?」
「そう。紫は昔から王族や貴族に愛された色。知的な真衣ちゃんには合う色でしょう。そして紫には欲求不満って意味があるよ」
「えっ…?」
「真衣ちゃんを蝶として撮影したら、きっと綺麗だろうと思った。なかなか自分の魅力に気付かず、欲求不満だった蝶が、綺麗な翅(はね)を自覚して、飛んだら蜘蛛の巣に捕まってしまう。そんなイメージで考えていたよ」