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ポートレート – Portrait –
第4章 蝶になった小説家
————KENさんはまだ撮影を始めない。さっき目隠しを外す前に撮った数枚だけ。今は彼の動きも気になるけど、そんなことより、全身に広がるくすぐったい感覚から逃れたかった。上げられた両腕を少し動かせば、脚全体に縄がそっと密着してくる…上半身を捻ると、今度はまとわりつく二枚の蜘蛛の巣全体が動き、体全体を包んでくる…蜘蛛の巣が動きを吸収して、素肌から伝わる縄の感覚から逃れることができない…。
「真衣ちゃん、まだ撮り始めないから、もう少し待ってて。僕は真衣ちゃんを見ながら待っているから」
真衣は微小な刺激に、体をよじり、耐えて、時折、息を止めてゆっくりと答えた。
「待っているって何をですか…?」
「真衣ちゃんがまだ隠している、本当の魅力だよ。それが現れるサインを待っているんだよ」
「真衣ちゃん、まだ撮り始めないから、もう少し待ってて。僕は真衣ちゃんを見ながら待っているから」
真衣は微小な刺激に、体をよじり、耐えて、時折、息を止めてゆっくりと答えた。
「待っているって何をですか…?」
「真衣ちゃんがまだ隠している、本当の魅力だよ。それが現れるサインを待っているんだよ」