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ポートレート – Portrait –
第4章 蝶になった小説家
真衣は蜘蛛の巣に包まれ、全身に広がる余韻の中でKENと会話をしていた。

「さ…才能ですか…?」

「そう。才能だよ。だから恥ずかしがることじゃないよ。さっき刺激を受け入れたのと同じように、その才能も受け入れて。力を抜いて…できるよね?」

「は…はい…」

「真衣ちゃんの才能をいっぱい魅せて。レンズから目を離さないで」

KENは、リミッターが外れた真衣の表情をカメラで捉えていた。蜘蛛の巣に包まれ、襲ってくる刺激を我慢せず受け入れて、沸き上がる、迫ってくる、昨日の夕陽に包まれた時のような、真衣の妖艶なオーラに圧倒されていった。KENはシャッターを押す際、自分の指が震えているのを自覚した。

真衣は目をうつろにして、時には悶えながら、カメラをずっと見つめていた。
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