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ポートレート – Portrait –
第5章 新発見の戸惑い
KENがカメラを持ち、真衣にストロボの光が照らされるよう、テストしていく。
「真衣ちゃん、笑顔ではなくて、悲しい顔をして」
「はい…」
「いいね。いい顔してるよ」
KENがアングルを変え、シャッターを連続で切っていく。
「真衣ちゃん、弾きたくても弾けない…そんなピアニストになってみようか?」
「は…はい…」
————今の私は、まさに弾けないピアニストだった。KENさんの言葉を聞いて、体内でスイッチが入っていくのが分かった。背中を丸めて、手首を動かそうしても、動かせないピアニストだった。
KENは、うつむき手首を動かそうとしている真衣の姿を、逃さずどんどん連写していく。
「真衣ちゃん、ペダルも踏めないんだよ。ペダルの動作も大切だよね」
————KENさん言わないで…足首や脚は動かせないの…あそこにメダルがあるのに…。
「真衣ちゃん、笑顔ではなくて、悲しい顔をして」
「はい…」
「いいね。いい顔してるよ」
KENがアングルを変え、シャッターを連続で切っていく。
「真衣ちゃん、弾きたくても弾けない…そんなピアニストになってみようか?」
「は…はい…」
————今の私は、まさに弾けないピアニストだった。KENさんの言葉を聞いて、体内でスイッチが入っていくのが分かった。背中を丸めて、手首を動かそうしても、動かせないピアニストだった。
KENは、うつむき手首を動かそうとしている真衣の姿を、逃さずどんどん連写していく。
「真衣ちゃん、ペダルも踏めないんだよ。ペダルの動作も大切だよね」
————KENさん言わないで…足首や脚は動かせないの…あそこにメダルがあるのに…。