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ポートレート – Portrait –
第7章 ピアノに見守られて
「ピアノの下で縛られて動けないピアニスト…そんなイメージが急に沸いたんだ」

KENは真衣から離れ、カメラを取り、撮影を始めた。高い位置から撮ったり、低い位置から、真衣の体の起伏が分かるアングルからも撮影していた。数枚だけの時もあれば、連写で何枚もシャッターを切っていく。そしてカメラが音を出す度、真衣からは小さな声が漏れていく。

「ァッ…ぁ…ハァハァ…ンッ…」

————手足をピアノの真下で縛られて全く動けないのに、私はシャッター音で感じてる…体を捻っても動けずに、背中で発生する電流が体をすごいスピードで駆け抜けていく…。
「真衣ちゃん、ちょっとごめんね」

KENは紙の束を持ってきた。そして一枚ずつ手から放し、フワフワと揺れながら下りてくる紙。真衣の胸に着地した紙は楽譜だった。そしてまた一枚と下り、お腹や脚、彼女の周辺が楽譜で埋め尽くされてる。
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