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天狐あやかし秘譚
第81章 覆水不返(ふくすいふへん)
御九里が六合によってできた隙を見逃さず、大太刀を肩に担ぐように持ち、左手で刀印を結び呪言を唱えた。
「皇天上帝 三極大君 日月星辰 八方諸神 司命司籍
 左に東王父 右に西王母 五方五帝 四時四気 金気邪を祓い給へ」

その横では九条が金鞭を頭上に掲げ、同じく呪言を奏上する。
「北斗、星辰、泰山府君の御力もちて祓え
 水后、月形、日形、氷方に歳刑神よあれ・・・」

二人がそれぞれの武器に込めた呪力を一気に解き放つ。
「金気・金刀一閃(きんとういっせん)」
「水気・七星氷旋(しちせいひょうせん)」

御九里の持つ鬼丸国綱改(おにまるくにつなあらため)の刀身が金色に輝いたかと思うと、疾風のごとく、鬼獣の間を駆け抜けていく。その神速の退魔の斬撃により、彼が駆け抜けた側から妖魅達が真っ二つになっていく。

一方九条が頭上に掲げた金鞭(かなむち)の先についている宝玉は青く輝き、旋回する氷の刃が風で吹き飛ばされ、態勢を崩した小妖達を次々と薙ぎ払っていく。青白い刃が通り抜けると妖魅の身体は凍りつき、そのまま砕けて消えていった。

「ようやった!」
「これで狙えるのです!」
御九里、九条の活躍により、鵺が落ちた先までの視界がひらけた。その一瞬を見逃さず、左前が水天鏡を、土門が右手を鵺に向け呪言を唱える。

「水気・歳刑雷砲!」
「木気・召雷一閃!」

水天鏡から轟音と共に水の砲弾が、土門の右手指先から強烈な雷の一閃が放たれる。それは六合により叩き落されたクチナワの横面を弾き、鵺の眉間を貫いていく。

左前の術がクリーンヒットしたことにより、クチナワが気絶したことで、大量に召喚された妖魅達はその姿を保てなくなり、霧散していった。あちこちで陰陽師たちの歓声が響く。

「あれだけの威力の水気の術を、あの速度で放つとは・・・」
「すげ・・・土門様の、召雷一閃・・・俺のとは威力がダンチだよ」
九条が左前の、御九里が土門の術を目の当たりにして、その圧倒的な呪力に感嘆の声をあげた。

「こら!お前ら、ぼっとしとらんで、その神宝使いを拘束せい!」
左前に促されて、はっと顔を見合わせると、二人は慌ててクチナワを拘束しにかかった。
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