この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第1章 【第1話 天狐】禍福糾纆(かふくきゅうぼく)

あれ?さっきまで陽光が差していたので、てっきりこっちは縁側だと思ったのに・・・。
そこは真っ暗な廊下ではないか。走っていくと、正面にT字路がある。左右に廊下が別れており、突き当りは襖になっている。
ダリは迷わず襖を開け、中に飛び込む。
しん・・・。
耳をつくような静寂が広がる。
そこは、真っ暗な空間。だだっ広い。そして、はるか先に赤い炎がひとつ、チロチロと燃え上がっていた。
家・・・の中なんだよね?
その炎以外は、見渡す限りの暗い暗い平面だった。とてもじゃないけど、家の広さに収まる空間ではない。
そして、後ろを振り返ったのだが、そこにはたった今入ってきたはずの襖すらなかった。
ここにきてやっと私は悟った。この家そのものが、すでにこの世のものではないことに。
異界だ、ということに。
私は、抱えられながら、ダリの着物をギュッと掴む。身体が小刻みに震える。
「ん?なんじゃ?怖いのか・・・?」
私の顔を見る。優しい顔・・・。それだけですっと心が落ち着く。
「問題ない。この程度の怪異。我は・・・天狐、ダリぞ」
ダリは疾風のごとく、部屋の中央の炎に向かって走っていく。
神様・・・。不幸が群れをなして襲ってきて、旅をしたらしたでイケメン妖怪に会って、気持ちいいことされちゃって・・・その後はコレですか?
不幸と幸福、も少し、振れ幅を小さくできないでしょうか・・・?
無駄だと思ったものの、そう祈らざる(苦情を言わざる?)を得なかった。
いったい、私、どうなっちゃうの!?
そこは真っ暗な廊下ではないか。走っていくと、正面にT字路がある。左右に廊下が別れており、突き当りは襖になっている。
ダリは迷わず襖を開け、中に飛び込む。
しん・・・。
耳をつくような静寂が広がる。
そこは、真っ暗な空間。だだっ広い。そして、はるか先に赤い炎がひとつ、チロチロと燃え上がっていた。
家・・・の中なんだよね?
その炎以外は、見渡す限りの暗い暗い平面だった。とてもじゃないけど、家の広さに収まる空間ではない。
そして、後ろを振り返ったのだが、そこにはたった今入ってきたはずの襖すらなかった。
ここにきてやっと私は悟った。この家そのものが、すでにこの世のものではないことに。
異界だ、ということに。
私は、抱えられながら、ダリの着物をギュッと掴む。身体が小刻みに震える。
「ん?なんじゃ?怖いのか・・・?」
私の顔を見る。優しい顔・・・。それだけですっと心が落ち着く。
「問題ない。この程度の怪異。我は・・・天狐、ダリぞ」
ダリは疾風のごとく、部屋の中央の炎に向かって走っていく。
神様・・・。不幸が群れをなして襲ってきて、旅をしたらしたでイケメン妖怪に会って、気持ちいいことされちゃって・・・その後はコレですか?
不幸と幸福、も少し、振れ幅を小さくできないでしょうか・・・?
無駄だと思ったものの、そう祈らざる(苦情を言わざる?)を得なかった。
いったい、私、どうなっちゃうの!?

