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天狐あやかし秘譚
第84章 【第16話 GD】雲散鳥没(うんさんちょうぼつ)
【第16話 GD(ゴースト・ドラッグ)】

♡ーーーーー♡
【雲散鳥没】雲のように空に散り、鳥が姿を消すように、物事が跡形もなく消え失せること。
あっれー?どっかに消えちゃった!?みたいな。
♡ーーーーー♡

プラスチックの容器から、直径1センチに満たない黄色いラムネのような『それ』を取り出す。『青色』は何度も試したけれども、『黄色』はこれで2回目。【お薬屋】は「その時々の体調で効果が変わるかもしれない」等と言っていた。

3日前に飲んだときは、目の前がぱっと明るくなった。目に感じる光が一段と強くなったように感じたり、筋肉がしなやかに動く気がした。気分が高揚し、何でもできるんじゃないかみたいな、ウキウキした気持ちになった。実際に、その状態で体育の1500メートル走に挑んだのだけど、いつもより全然疲れることがなかったし、記録もぐんと伸びた。先生がびっくりしていたのを覚えている。

あまりたくさんある薬じゃないので、ここぞというときに使いたい。
一瞬、躊躇するが、やっぱりと、私は薬を口に入れる。

舌の上で転がすと、それは少し酸味強いラムネのように口の中で溶けていく。甘酸っぱい味が広がると、薬が混ざった唾液ごと、飲み下していく。

今日、また、私は母とぶつかった。
分かっている。高校2年生の1学期。来年の進路選択に向けて、各教科の成績が重要だということくらい、言われなくても分かっている。
それでも、年度初めの統一学力テストの結果が思うようでなかったのを母に咎められて、私の心はざわついていた。

私だって、一生懸命やっている。
手を抜いてなんていない。
あなたが私のことを考えて大学進学のためにハッパをかけているのだって、十分わかる。

でも・・・

あなただって、お父さんだって
出た大学は二流じゃん
その娘である私に何を期待するの!?

高校受験に失敗した時、あからさまに落胆した顔をしたあなた
あの顔、私は絶対に忘れない・・・。

ああ・・・イライラする
今日も大量の課題をこなさなければならない
身体も心も、休む暇すら与えられない。
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