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天狐あやかし秘譚
第86章 能鷹隠爪(のうよういんそう)
☆☆☆
「おらよ!」

他の女性達はコンテナのようなものの中に連行されていったが、私だけは鴻上に船室のようなところに引っ張られていった。後ろ手に縛られたままどんと突き飛ばされ、ベッドに転がされる。

私を見下ろしながら、鴻上がその黒尽くめの服を脱ぎだした。

「せっかくだからな。同業者を抱けるなんて機会、めったにないんでね。あんただけは『出荷』する前に、俺が犯してやるよ・・・」

この期に及んでも、私は自分を責め続ける淫具の刺激で腰砕けになっていた。グイングインと腟内をこすり続けるバイブレーターに何度も何度もイカされ続け、意識が朦朧としていた。

「逆らっても良いんだぜ?ま、無理だろうけどな」

こちらを完全に無力化したと思ったのか、鴻上は私の腕の束縛を解いた。そして、ニップルカップを外し、そして、ずぼっ、ずぼっとバイブとスティックを抜く。

「すっかり出来上がってるはずだ・・・どれ、俺のちんぽしゃぶってくれよ」

ぐいと匂い立つ男のシンボルが私の口元に寄せられる。敏感になった嗅覚によって、オスのフェロモンを強く感じてしまっていた私は、その匂いだけで脳が蕩けていく。鴻上は横たわっていた私を無理矢理に引き起こす。私の目には、もう鴻上のいやらしく勃起したペニスしか写っていなかった、

あ・・ああ・・・舐め・・なきゃ・・・

あん、と小さく口を開ける。恐る恐る舌を出し、ゆっくりと鴻上のペニスに顔を近づけていく。ぬらぬらと濡れた亀頭から滲み出る淫液の匂いが、嗅覚だけではなく、味覚にすら感じられてくる。

ホシイ・・・ホシイ・・・

鴻上のぬるりと光る亀頭に私の舌が触れようとした時、

「にゃああっ!!!」

突然、猫の鳴き声がした。覚えのある鳴き声だった。

ニャンコ先生・・・?

「うわ!な、なんだ!」

どうやら、にゃんこーずの一匹であった猫神の中で、鴻上の『始末』から免れたのものがいたらしい。それは私達の後をつけ、ひっそりとこの船舶に乗り込んでいたみたいだった。その猫神が鴻上に襲いかかっていた。

「いってぇ!ちくしょう!」

バッと鴻上が猫神を手で払いのける。猫神は式神ではあるが、戦闘用ではない。調査・潜入を主とした役割としているため、通常状態では戦闘能力はほぼゼロである。
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