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天狐あやかし秘譚
第100章 死中求活(しちゅうきゅうかつ)
☆☆☆
何・・・何なのあれは!?
私は公園の中を闇雲に走っていた。先程、出会った『モノ』。あれは尋常の獣ではない。四足獣にしては長すぎる手足、闇のように真っ黒な身体、白銀に光る眼、そして、真っ赤に裂けた口、
そして、何より・・・
「人の・・・言葉を話していた!」
思わず悲鳴を上げ、駆け出してしまったが、進む方向を間違えた。本来なら左に走るべきだったのに、より公園の中央に向かう右を選んでしまった。
さっきの黒い獣は長い脚を不気味に動かしながら迫ってきていた。決して早くもなく、かといって離れ過ぎもせず、一定の距離を取って、まるで私をいたぶっているかのようだった。
あの悪臭がいつまでもいつまでも私につきまとってくる。いくら走っても距離を開けることができない。
「だ、誰か!」
叫んでみたが、その声は周囲に虚しく響くだけだった。なんで!?なんでこんなときに誰一人、通りかかる人がいないの!?
そうだ、と思い、スマホを取り出して見たが、画面を見て戦慄した。そこには『圏外』の表示があったからだ。
そんな!スマホまで!
少し速度を緩めたのがいけなかった。獣との距離が先程よりも縮まってしまったようだった。あの奇妙な呼吸音が耳につく。ジャリッ、ジャリッと歩み寄る足音、そして、鼻を突く悪臭が更に強くなっていた。
フシュウウウウウ
「はあ・・・逃げぬのか?もう・・・逃げぬのかぁ?」
もう後ろに来ているの!?
咄嗟に私はスマホのライトをつけ、後ろにかざした。瞬間、『ぎゃッ!』と獣が声を上げたかと思うと、光を避けるように木の後ろに隠れた。
光・・・光が嫌いなの!?
そうは思ったが、スマホで照らし続けて獣を避けるなんて怖くてできなかった。とにかく追ってくる不気味な影から距離を取らなくては・・・その一心で闇雲に走っていた。そのうち、一体自分が代々木公園のどこを走っているのかもわからなくなってきてしまった。
空はすっかり闇に覆われ、月すら出てない真っ暗な公園の中。時折、ぽつりぽつりとやたらと鈍い光を放つ街灯だけを頼りに、ひたすらに逃げ惑う。
とにかく、明るいところ、明るいところに出ればあいつは・・・!
思うのだが、どうしても公園から抜け出すことができない。焦れば焦るほど道に迷ってしまうかのようだった。
どっち?どっちに出ればいいの!?
何・・・何なのあれは!?
私は公園の中を闇雲に走っていた。先程、出会った『モノ』。あれは尋常の獣ではない。四足獣にしては長すぎる手足、闇のように真っ黒な身体、白銀に光る眼、そして、真っ赤に裂けた口、
そして、何より・・・
「人の・・・言葉を話していた!」
思わず悲鳴を上げ、駆け出してしまったが、進む方向を間違えた。本来なら左に走るべきだったのに、より公園の中央に向かう右を選んでしまった。
さっきの黒い獣は長い脚を不気味に動かしながら迫ってきていた。決して早くもなく、かといって離れ過ぎもせず、一定の距離を取って、まるで私をいたぶっているかのようだった。
あの悪臭がいつまでもいつまでも私につきまとってくる。いくら走っても距離を開けることができない。
「だ、誰か!」
叫んでみたが、その声は周囲に虚しく響くだけだった。なんで!?なんでこんなときに誰一人、通りかかる人がいないの!?
そうだ、と思い、スマホを取り出して見たが、画面を見て戦慄した。そこには『圏外』の表示があったからだ。
そんな!スマホまで!
少し速度を緩めたのがいけなかった。獣との距離が先程よりも縮まってしまったようだった。あの奇妙な呼吸音が耳につく。ジャリッ、ジャリッと歩み寄る足音、そして、鼻を突く悪臭が更に強くなっていた。
フシュウウウウウ
「はあ・・・逃げぬのか?もう・・・逃げぬのかぁ?」
もう後ろに来ているの!?
咄嗟に私はスマホのライトをつけ、後ろにかざした。瞬間、『ぎゃッ!』と獣が声を上げたかと思うと、光を避けるように木の後ろに隠れた。
光・・・光が嫌いなの!?
そうは思ったが、スマホで照らし続けて獣を避けるなんて怖くてできなかった。とにかく追ってくる不気味な影から距離を取らなくては・・・その一心で闇雲に走っていた。そのうち、一体自分が代々木公園のどこを走っているのかもわからなくなってきてしまった。
空はすっかり闇に覆われ、月すら出てない真っ暗な公園の中。時折、ぽつりぽつりとやたらと鈍い光を放つ街灯だけを頼りに、ひたすらに逃げ惑う。
とにかく、明るいところ、明るいところに出ればあいつは・・・!
思うのだが、どうしても公園から抜け出すことができない。焦れば焦るほど道に迷ってしまうかのようだった。
どっち?どっちに出ればいいの!?

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