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天狐あやかし秘譚
第101章 純粋一途(じゅんすいいちず)
ダリ様は心配をしたのだと思う。慌てて私の背を手で撫でてくれた。そのあたふたとした様子に、この気持ちを言葉で伝えなくては、と思ったのだが、想いが溢れかえりすぎて止めることができず、半刻ほども私は泣き続けてしまったのだった。
『なんぞ・・・名を呼ばれたことがそれほど嬉しかったのか?』
やっと落ち着いたとき、ダリ様は呆れたように私にこう言った。
『そうにございます・・・可笑しいですか?』
あまりにもカラカラと笑われたものだから、私は少し拗ねてしまっていた。
『いや、可笑しくはないぞ・・・そうか、そうか・・・我が名を呼ぶことは、主にとって嬉しいことか』
そう言って微笑まれたその時のダリ様のお顔は、なんだかとても満足そうに見えたのです。
こうして、私とダリ様は、互いを『ダリ様』『佐那姫』と呼び合いながら、奥州の山の中にて、周辺の妖怪厭魅の長として、また人々から信仰を集める土地神として長く暮らすことになったのだった。
『なんぞ・・・名を呼ばれたことがそれほど嬉しかったのか?』
やっと落ち着いたとき、ダリ様は呆れたように私にこう言った。
『そうにございます・・・可笑しいですか?』
あまりにもカラカラと笑われたものだから、私は少し拗ねてしまっていた。
『いや、可笑しくはないぞ・・・そうか、そうか・・・我が名を呼ぶことは、主にとって嬉しいことか』
そう言って微笑まれたその時のダリ様のお顔は、なんだかとても満足そうに見えたのです。
こうして、私とダリ様は、互いを『ダリ様』『佐那姫』と呼び合いながら、奥州の山の中にて、周辺の妖怪厭魅の長として、また人々から信仰を集める土地神として長く暮らすことになったのだった。

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