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天狐あやかし秘譚
第104章 【第20話 ヤンデレ】一途一心(いちずいっしん)
そんなふうに考えた九条は、バッグから護符を一枚取り出し渡した。橋本は受け取った呪符をしげしげと眺める。

「今の時点ではすぐに『これで解決です』と言うことはできません。調査が必要です。とりあえず、今日の結果を持ち帰り精査すると同時に、僕が橋本さんの家の周辺を責任をもって警護いたします。それと、橋本さんにはこちらの護符をお渡ししておきますので、できるだけ身から離さないようにお願いします。」

実はこの護符自体に、さほど強い効果はない。

一般に符というのは、使用者が元来持っている呪力を増大させたり、その方向づけを行うのに用いるものである。言ってみれば電流を制御するトランジスタや整流回路のような働きをするのだ。もちろん符自体に呪力を持たせ、素人でもある程度の権能を発揮できるようにする技術も存在するが、そのような符を作るのは手間も時間もかかるため、希少価値が高い。

ちなみに、宝生前はその希少なアイテムを作り出す技術を持っている。彼独自の製法で作成した『石釘』は何度も浦原綾音のピンチを救ったと聞く。ただ、それにしても、綾音自身にはある程度の呪言や所作を教えておく必要があったというのであるから、全くの素人が使ったわけではない。

要するに、持ってるだけで魔を除ける札、などというのは、通常の人が考える以上にレアなアイテムなのである。

ということで、今、九条が渡したのは『本物』ではあるのだが、素人が持ってたとしても、そこいらの神社で授けられる護符とその効能においては大差ないのである。せいぜい場を少し清めるくらいのもので、言ってみれば気休めだ。それでも敢えて渡したのは、男性の悩みがかなり『心理的なもの』、もっと言えば『取り越し苦労』に近い可能性も考慮してのことだった。

案の定、橋本は札をありがたがり、大事そうにワイシャツの胸ポケットにしまっていた。

「それじゃあ、僕は一旦失礼いたします。もし、なにか異変があったら、迷わず先程お渡しした名刺の番号にかけてください。僕の携帯に直接でも構いません。もしそちらが通じなければ特別管理局の直通に。出たものに僕の名前を言ってもらえれば遠からずこちらからお電話いたします」

九条がニッコリ笑うと、早速御札の効果が出たのか、橋本は少し落ち着いた様子で頷いた。
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