この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第104章 【第20話 ヤンデレ】一途一心(いちずいっしん)
☆☆☆
橋本の家を訪ねた日から、九条は自身の式神であるところの『白鷺姫』を使って彼の家の周囲の警戒に当たった。しかし、その日、及び次の日には特段変わった現象を確認することはできなかった。次の日に橋本に連絡をしたところ、護符を受け取って以来、毎日のように感じていた怪異の気配を感じなくなり、昨晩は久しぶりによく眠れたなどと語っていた。
これはいよいよ依頼主である橋本の勘違い説が濃厚か・・・
そんな風に思った矢先だった。橋本の家に行った2日後の土曜日の日中、九条の『白鷺姫』が、異変を捉えた。
その日は梅雨の晴れ間だった。橋本のマンションの向かいの建物の階段の踊り場、ちょうど彼の部屋を望めるところに、白鷺姫が女の影を見たのだ。その視覚情報は白鷺姫の能力により、瞬く間に九条に転送された。
洗いざらしたようなバサバサの髪をした女だ。
服の色こそ薄青であり、『白』ではなかったが、何年も着古したようなワンピースであり、その様子は確かに異彩を放っていた。
九条は白鷺姫にその『女』の監視をし続けるよう念を飛ばし、自身も大急ぎで現場に向かった。しかし、九条がたどり着いたときには女はすでに消えていたのだった。白鷺姫の視覚情報は女が建物の中に消えていく所まで共有されていた。九条の白鷺姫は建物の中までは追っていくことができないので、そこで見失ってしまったというわけだ。
そして、その『女』がいたと思しき場所を調べてみても、特段の呪力痕跡を見出すことは出来なかった。
なにかがいることは確かめられた。
しかし、その正体が分からない。
もし、微かでも呪力を検出できれば、それを解析して、使われている呪術を特定することもできたのであるが、全く痕跡が見い出せない以上、それもままならない。
そこで九条は、占部・・・占術と探索を専門とする部署の応援を求めることを決意したのだった。
橋本の家を訪ねた日から、九条は自身の式神であるところの『白鷺姫』を使って彼の家の周囲の警戒に当たった。しかし、その日、及び次の日には特段変わった現象を確認することはできなかった。次の日に橋本に連絡をしたところ、護符を受け取って以来、毎日のように感じていた怪異の気配を感じなくなり、昨晩は久しぶりによく眠れたなどと語っていた。
これはいよいよ依頼主である橋本の勘違い説が濃厚か・・・
そんな風に思った矢先だった。橋本の家に行った2日後の土曜日の日中、九条の『白鷺姫』が、異変を捉えた。
その日は梅雨の晴れ間だった。橋本のマンションの向かいの建物の階段の踊り場、ちょうど彼の部屋を望めるところに、白鷺姫が女の影を見たのだ。その視覚情報は白鷺姫の能力により、瞬く間に九条に転送された。
洗いざらしたようなバサバサの髪をした女だ。
服の色こそ薄青であり、『白』ではなかったが、何年も着古したようなワンピースであり、その様子は確かに異彩を放っていた。
九条は白鷺姫にその『女』の監視をし続けるよう念を飛ばし、自身も大急ぎで現場に向かった。しかし、九条がたどり着いたときには女はすでに消えていたのだった。白鷺姫の視覚情報は女が建物の中に消えていく所まで共有されていた。九条の白鷺姫は建物の中までは追っていくことができないので、そこで見失ってしまったというわけだ。
そして、その『女』がいたと思しき場所を調べてみても、特段の呪力痕跡を見出すことは出来なかった。
なにかがいることは確かめられた。
しかし、その正体が分からない。
もし、微かでも呪力を検出できれば、それを解析して、使われている呪術を特定することもできたのであるが、全く痕跡が見い出せない以上、それもままならない。
そこで九条は、占部・・・占術と探索を専門とする部署の応援を求めることを決意したのだった。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


