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天狐あやかし秘譚
第104章 【第20話 ヤンデレ】一途一心(いちずいっしん)
内心は心臓バクバクであり、パニック寸前にも関わらず、『好きバレ』を恐れるあまり、冷静さの仮面を必死で被っている。・・・内心まで知るととても可愛らしいのだが、はたから見ると、他の女性陣が一様にきらきらした目で九条を見つめて積極的に自身をアピールしてる中、ひとり興味なさそうに『すん』としている冷めた女のようにしか見えなかった。
冷静な顔をしてカタカタとキーボードを叩いている明咲の耳は、その表情とは裏腹に土門と九条、そして、周囲の女陰陽師の言葉に釘付けだった。
『ああっ!もう、私・・・私ってば・・・こんな顔してたら、九条様に嫌われちゃうのに!』
『でもでも、好きすぎて、目、見れないよぉ・・・』
『みんな、ずるい、ずるい!私、私が誰より一番、いっちばんお手伝いしたいのにぃ!!!』
はっと気づくと、目の前のディスプレイには、
『九条様、九条様、九条様九条様九条様九条様九条様九条様・・・』
と無数の文字が並んでいた。完全に、無意識である。
あっ、まずい、と思った時、
「それなら、姿(すがた)がいいのですねえ」
突然、土門から自身の名前を呼ばれ、画面の文字を見られたと早合点した明咲が、バタン、とディスプレイを大きな音を立てて閉じていた。
「ん?姿(すがた)・・・どうしたのですか?」
土門がこちらを不思議そうな顔をしてみていた。
「あ、いや・・・作業が一段落しましたので・・・」
とっさに明咲は適当な嘘をついた。
「それならちょうどいいのです。姿は、たしか陰陽生のときの研究テーマが『方位占術』だったのです。九条さん、方位占術のできる方を探しているということで・・・」
ガタン!
明咲が無言で急に立ち上がった。隣りに座っていた清水が突然の挙動に目を剥いた。
「め、明咲ちゃん・・・?」
「すいません、一度、化粧室に行ってきてよろしいでしょうか?それからお話を詳しくお伺いいたします」
スタスタスタスタ
そのまま彼女は九条や土門の方を一瞥することもなく、事務室の扉から出ていった。
「姿・・・トイレ、我慢してたのですかね?」
ポツリと土門が言う。
「明咲ちゃん、なにか嫌なことあったの?」
工藤が小首を傾げる。
ちょっとだけ、事務室がしんと静まり返った。
冷静な顔をしてカタカタとキーボードを叩いている明咲の耳は、その表情とは裏腹に土門と九条、そして、周囲の女陰陽師の言葉に釘付けだった。
『ああっ!もう、私・・・私ってば・・・こんな顔してたら、九条様に嫌われちゃうのに!』
『でもでも、好きすぎて、目、見れないよぉ・・・』
『みんな、ずるい、ずるい!私、私が誰より一番、いっちばんお手伝いしたいのにぃ!!!』
はっと気づくと、目の前のディスプレイには、
『九条様、九条様、九条様九条様九条様九条様九条様九条様・・・』
と無数の文字が並んでいた。完全に、無意識である。
あっ、まずい、と思った時、
「それなら、姿(すがた)がいいのですねえ」
突然、土門から自身の名前を呼ばれ、画面の文字を見られたと早合点した明咲が、バタン、とディスプレイを大きな音を立てて閉じていた。
「ん?姿(すがた)・・・どうしたのですか?」
土門がこちらを不思議そうな顔をしてみていた。
「あ、いや・・・作業が一段落しましたので・・・」
とっさに明咲は適当な嘘をついた。
「それならちょうどいいのです。姿は、たしか陰陽生のときの研究テーマが『方位占術』だったのです。九条さん、方位占術のできる方を探しているということで・・・」
ガタン!
明咲が無言で急に立ち上がった。隣りに座っていた清水が突然の挙動に目を剥いた。
「め、明咲ちゃん・・・?」
「すいません、一度、化粧室に行ってきてよろしいでしょうか?それからお話を詳しくお伺いいたします」
スタスタスタスタ
そのまま彼女は九条や土門の方を一瞥することもなく、事務室の扉から出ていった。
「姿・・・トイレ、我慢してたのですかね?」
ポツリと土門が言う。
「明咲ちゃん、なにか嫌なことあったの?」
工藤が小首を傾げる。
ちょっとだけ、事務室がしんと静まり返った。

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