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天狐あやかし秘譚
第12章 鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)

「まあええわ。ゆっくり考えて。これ、わいの名刺やから、心決まったら電話して、な?」
ピリリリリ・・・
瀬良さんの持っているスマホが鳴った。失礼、と言い、瀬良が電話に出る。「はいはい」「わかりました」などの受け答えをしているが、様子が少々色めきだっていた。
通話を切った後、瀬良が土御門に何やら耳打ちをする。
「ほう」
土御門が一言つぶやき、私達をちらっと見た。一瞬思案の挙げ句、こう言った。
「あんさんらが助けた例の女、河西佳苗が、たった今、病院から逃げ出したで」
次のセリフに、私はゾクリとした。
「女怪に・・・なりかかっとるってさ・・・。どうする?一緒に来て、助ける?」
女怪・・・つまりは妖怪になりかかっているということ?
「助けられるの?」
尋ねると、土御門はあっさり頷いた。
「ああ、まだ間に合うで。手伝ってくれるか?」
ちらとダリを見ると、どっちでもいい、といった顔をしている。そりゃそうだろう。あなたならなんとでもなるんだろうから。
だとしたら・・・、やっぱり・・・。
清香ちゃんが助けたかった人、やっぱり助けないわけにはいかないでしょう。
それに、なにより・・・
あの河西さんという人・・・すっごく辛そうな目をしていた。悲しそうな顔をしていた。
少し迷ったがやっぱり放っておけない。
「行きます」
私は答えた。まあ、実際いくのはダリだろうけど・・・。
「いいねえ!気風がいい。漢(おとこ)・・・いや女だね!」
土御門がぽんと私の背中を叩く。
こうして、私たちは女怪になりかかった河西佳苗を助けるべく、陰陽師の仕事に同行することになった。
ピリリリリ・・・
瀬良さんの持っているスマホが鳴った。失礼、と言い、瀬良が電話に出る。「はいはい」「わかりました」などの受け答えをしているが、様子が少々色めきだっていた。
通話を切った後、瀬良が土御門に何やら耳打ちをする。
「ほう」
土御門が一言つぶやき、私達をちらっと見た。一瞬思案の挙げ句、こう言った。
「あんさんらが助けた例の女、河西佳苗が、たった今、病院から逃げ出したで」
次のセリフに、私はゾクリとした。
「女怪に・・・なりかかっとるってさ・・・。どうする?一緒に来て、助ける?」
女怪・・・つまりは妖怪になりかかっているということ?
「助けられるの?」
尋ねると、土御門はあっさり頷いた。
「ああ、まだ間に合うで。手伝ってくれるか?」
ちらとダリを見ると、どっちでもいい、といった顔をしている。そりゃそうだろう。あなたならなんとでもなるんだろうから。
だとしたら・・・、やっぱり・・・。
清香ちゃんが助けたかった人、やっぱり助けないわけにはいかないでしょう。
それに、なにより・・・
あの河西さんという人・・・すっごく辛そうな目をしていた。悲しそうな顔をしていた。
少し迷ったがやっぱり放っておけない。
「行きます」
私は答えた。まあ、実際いくのはダリだろうけど・・・。
「いいねえ!気風がいい。漢(おとこ)・・・いや女だね!」
土御門がぽんと私の背中を叩く。
こうして、私たちは女怪になりかかった河西佳苗を助けるべく、陰陽師の仕事に同行することになった。

