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天狐あやかし秘譚
第12章 鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)

☆☆☆
私の身体、どうなってるの?
さっきまで病院にいて、寝ていて。ベッドのそばで女性がなにか呪文のようなものを唱えていた。だけど、黒い人影の、人影たちの夢を見て、呼ばれて、取り込まれて、そしてそして・・・。
全身が沸騰しているかのように熱い。心の奥底からなにかどす黒いものが湧き上がり、それに突き動かされるように疾走っている。ビルの屋上から屋上へと、何十メートルもある間隙を安々と飛び越えていく。
それができるのが当たり前という感覚と、なんでできるんだという疑問が心の中で共存している。身体に黒々とした力が漲っているのだけがわかる。そして、この力を何に使うべきかも。
倖田・・・令児・・・。
どういうわけか奴が今どこにいて何をしているのか、その情報が頭の中に流れ込んでくるかのように分かる。ああ・・・彼らはまた別の女性を食い物にしている。
許せない、許せない、許せない、ゆるせない、
ユルセナイ、ユルセナイ、ユルセナイ!
向かうべき場所も分かる。磁力で惹かれ合うように、彼がいるところが手に取るようにわかるのだ。
あの光景、あの怒り、あの絶望・・・
体の奥底から湧き上がってくる、黒い感情が奔流となって爆発する。
バンと思い切り足で踏み切る。ひと蹴りでグンと加速する。
殺して・・・いや・・・喰らって・・・やる!
「ぐあああがああああああああ!」
夕闇に沈みかけた街に、私が上げた獣の咆哮が響いた。
私の身体、どうなってるの?
さっきまで病院にいて、寝ていて。ベッドのそばで女性がなにか呪文のようなものを唱えていた。だけど、黒い人影の、人影たちの夢を見て、呼ばれて、取り込まれて、そしてそして・・・。
全身が沸騰しているかのように熱い。心の奥底からなにかどす黒いものが湧き上がり、それに突き動かされるように疾走っている。ビルの屋上から屋上へと、何十メートルもある間隙を安々と飛び越えていく。
それができるのが当たり前という感覚と、なんでできるんだという疑問が心の中で共存している。身体に黒々とした力が漲っているのだけがわかる。そして、この力を何に使うべきかも。
倖田・・・令児・・・。
どういうわけか奴が今どこにいて何をしているのか、その情報が頭の中に流れ込んでくるかのように分かる。ああ・・・彼らはまた別の女性を食い物にしている。
許せない、許せない、許せない、ゆるせない、
ユルセナイ、ユルセナイ、ユルセナイ!
向かうべき場所も分かる。磁力で惹かれ合うように、彼がいるところが手に取るようにわかるのだ。
あの光景、あの怒り、あの絶望・・・
体の奥底から湧き上がってくる、黒い感情が奔流となって爆発する。
バンと思い切り足で踏み切る。ひと蹴りでグンと加速する。
殺して・・・いや・・・喰らって・・・やる!
「ぐあああがああああああああ!」
夕闇に沈みかけた街に、私が上げた獣の咆哮が響いた。

