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天狐あやかし秘譚
第15章 進退両難(しんたいりょうなん)
♡ーーーーー♡
【進退両難】進むことも退くことも困難な様子。
にっちもさっちもいかなくて、そこで立ち尽くすよりほかない、みたいな。
♡ーーーーー♡

「ぱぱ・・・大丈夫かな?」
清香ちゃんがぽそりと呟く。清香ちゃんが家に来てから、私とダリはいつも一緒にいた。ダリがこんなに長い時間離れていることはなかった。だから不安なのかもしれない。

「大丈夫だよ、ぱぱは強いから」
ぐっと拳を握って清香ちゃんに応える。とにかく彼女を不安にさせたくない。私自身、ちょっと心配だけど、顔に出さないように努めていた。
「そうでござる!ダリ殿は日本一、いや、世界一の大妖怪でござる!」
なぜか知らないが、芝三郎がドヤ顔で言う。いや、お前が偉いわけじゃないだろが。

今、私達は瀬良に連れられ、結界の縁から1キロほど離れた貸し会議室にいる。瀬良が言うには、この会議室は陰陽寮が女怪に対応するための前衛基地として借り上げたものだという。確かに会議室には10台ほどのパソコンやプリンター、それと通信機器、それから何に使うのかよくわからない祭壇のようなものや木の円盤に複雑な文様が描かれた道具などが運び込まれていた。

宮内庁の職員なのだろうか、20名近くの人が電話をしたり、パソコンで何やら文書を作成したりしている。ほとんどの人はスーツ姿なのだが、数人、神主さんのような格好をしている人がいた。

私達は休憩室として使われているところにいたので、職員と思しき人が忙しく働いている部屋についてはちらっとしか見えなかった。どうやら瀬良としては、職員でもない私にあまり活動内容を見せたくないようだった。

ただ、窓からは結界に包まれた街を間近に見ることができた。
先程は気が付かなかったが、内部でウヨウヨと例の黒い影が蠢いているのが見えた。
気持ち悪い・・・。

瀬良によると、あれは『女怪』という化け物で、恨みを持って死んだ女性がなる妖怪とのことだ。特に男性に騙されたり、傷つけられた女性が自ら命を断つと女怪になってしまう事があるという。
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