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天狐あやかし秘譚
第16章 往事茫茫(おうじぼうぼう)
続いて、作戦の概要と役割分担が発表される。

祓衆がダリの形成している時間停止結界を解除するとともに、祭部衆による最大出力での結界を発動。その力で鬼道の妖力を抑え込み、その隙に土御門他祓衆の陰陽博士による鬼道の封印を敢行する。

『始まりの女怪』については可能な限り陰陽師による封印を試みるが、抵抗が激しい場合、もしくは鬼道を拡張しようとする場合には、

「封殺もやむなし、とのことです」

瀬良が淡々と告げる。封殺もやむなし、と聞いて私の心は暗くなる。

「そして、この作戦の鍵になるのが、『浦原綾音』さんです」
突然、自分の名が呼ばれ戸惑う。土御門がジェスチャーで立ち上がるよう言ってくる。戸惑いながらも席を立ち、周囲を見回す。

宮内庁陰陽寮の面々の視線が一気に私に突き刺さる。土御門が立ち上がり、瀬良の後を続ける。

「この作戦、最も重要なんは、天狐ダリの力をいかに取り戻すか、や。はっきり言って、鬼道がちょっとでも開いている時点で、人間がどうこうできる域を軽く超えとる。なんとしても神にも匹敵する力を持つ天狐の力を借りる必要がある。そのために、天狐が必要としたんが、この・・・浦原綾音さんや。」

「あのーよろしいでしょうか?」
陰陽師の集団から手が上がる。
「なんや?」
「その、浦原さんとやらが、一体どうやって天狐の力を引き出すんでしょうか?作戦は?」
女性の声だった。
そうだ・・・当然の疑問だ。私は行って、何すればいいの?
「わからん」
な!?
土御門はあっさりと言ってのけた。
「わ・・・わからないって、そんな!そんなことで作戦が決行できるんですか!?」
「わからんもんはわからん。加えて言えば、今ダリが使ことる、あの時間停止の術式。全くどういう構造かわからん・・・と、そういうこっちゃな?土門はん」
土御門が顔を向けると、土門と呼ばれた女性が立ち上がる。

だいぶ小柄で若く見える女性だ。白っぽくて布をたっぷりと使った貫頭衣のような服を着ている。服には金糸で不思議な模様が描かれていた。髪の毛が不思議な色をしている。黒、ではあるのだが、角度によっては紫にも見える。また、目の下にこれまた紫のアイシャドーを濃く入れていた。総じて、妙な色気というか、雰囲気のある女性だった。
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