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天狐あやかし秘譚
第16章 往事茫茫(おうじぼうぼう)
「その点についちゃーわいはあんま心配してへんけどな」
土御門の声がしてびっくりした。それは瀬良も同じだったようだ。
「土御門様!お戻りになられてたんじゃないんですか?」
「戻ってきたで?瀬良ちゃんのとこに」
何気な顔で、するっと瀬良の尻に手を伸ばそうとするが、瀬良にピシャリとその手を叩かれる。
「いた!冷たない?瀬良ちゃん・・・ボクチン、作戦前に瀬良ちゃんに癒やしてもらいたいんやけどなあ」
「土御門様!」
瀬良がきっとにらみつける。なんだか、この二人、本当に関係性がわからない。

「えっと・・・」
私が戸惑っていると瀬良が察してくれたようだった。
「ほら!土御門様が妙なことを言うから綾音様が戸惑ってらっしゃる」
「あ、いや・・・戸惑ってる・・・と言えば戸惑っていますが・・・。えっと、心配してない、ってどういう意味ですか?」
土御門に聞いてみる。前もそんなこと言ってた気がするが、なんでなんとかなる、と思えるんだろう?」
「なーに、男の勘、ちゅうやつや。あいつが、連れてこいとまで言うんだ。勝算あるに決まっとる。それとも、姉ちゃんは・・・信じてへんの?あの天狐のこと」

信じて・・・ないわけじゃない。
私は首をふる。

「やろ?だったら、行ってみようや。そんで、どうにもならへんかったら、そんときはまた別の方法考えたらええねん。最悪、もし封印が解かれへんで、ずーっとあの場所に天狐と河西らがとどまったままっちゅーなら、あの場所、宮内庁が接収して神社でも建てたらええねん。」
ははは・・・と土御門は笑うが、とてもじゃないけど、そんなことを想像して笑う気にはなれなかった。

『お主を骨の髄まで愛する』
そう言ったダリを、今は信じる。
絶対帰ってくる・・・帰れるように、なにか考えがあるんだよね?

ダリ・・・。
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