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天狐あやかし秘譚
第26章 往古来今(おうこらいこん)

♡ーーーーー♡
【往古来今】過ぎ去った過去とこれから先までのこと
過去から続く未来、時間と空間を包み込む、大きな世界、みたいな。
♡ーーーーー♡
「あれ・・・ここは?」
僕は休日の朝、寝すぎたときに夢から覚めたような心地で目を開いた。
一瞬、どこにいるかが判然としない。
とにかく、薄暗いところにいた。
身体を起こす。
衣服が重い、と思ったら、紋付袴を着ていた。
その衣服を意識して、やっと僕は自分がどこにいるかを思い出した。
浮内本家・・・。
ホシガリ様の住まう場所だ。
「気が付きましたか?草介さん」
後ろから声をかけられた。振り向くと、昨日、宝生前と名乗った学者があぐらをかいて座っていた。だんだん意識がはっきりしてくる。周囲を見回すと、そこが『ホシガリ様の間』であることが分かった。
とん、と胸に何かを当てられた感覚がある。身体を前に向け直すと、そこには、昨日宝生前の助手として紹介された男、確か名をダリと言った、が立っていた。
ただ、その髪は肩を超すほど長く、頭にはなんの冗談か、狐のような耳が揺れており、背中から時折尻尾が顔をのぞかせる・・・。
そして何より驚いたのが、ダリが僕の胸に槍の穂先を突きつけていたことだった。
「知っていることをすべて話せ・・・」
その目は水のような静けさの奥に、滾る炎を宿していた。
もう一人いた女性がいない。そして、ホシガリ様も。
ここにきて、僕は大体の事情を察した。なので、自分が知っていることを話すことに躊躇はなかった。別に隠すことはない。その必要もない。
「もちろん、お話します。僕のことを、助けて、くれたのでしょう・・・」
僕は、二人に語りだす。この家、浮内の家に伝わる、おぞましい物語を・・・。
【往古来今】過ぎ去った過去とこれから先までのこと
過去から続く未来、時間と空間を包み込む、大きな世界、みたいな。
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「あれ・・・ここは?」
僕は休日の朝、寝すぎたときに夢から覚めたような心地で目を開いた。
一瞬、どこにいるかが判然としない。
とにかく、薄暗いところにいた。
身体を起こす。
衣服が重い、と思ったら、紋付袴を着ていた。
その衣服を意識して、やっと僕は自分がどこにいるかを思い出した。
浮内本家・・・。
ホシガリ様の住まう場所だ。
「気が付きましたか?草介さん」
後ろから声をかけられた。振り向くと、昨日、宝生前と名乗った学者があぐらをかいて座っていた。だんだん意識がはっきりしてくる。周囲を見回すと、そこが『ホシガリ様の間』であることが分かった。
とん、と胸に何かを当てられた感覚がある。身体を前に向け直すと、そこには、昨日宝生前の助手として紹介された男、確か名をダリと言った、が立っていた。
ただ、その髪は肩を超すほど長く、頭にはなんの冗談か、狐のような耳が揺れており、背中から時折尻尾が顔をのぞかせる・・・。
そして何より驚いたのが、ダリが僕の胸に槍の穂先を突きつけていたことだった。
「知っていることをすべて話せ・・・」
その目は水のような静けさの奥に、滾る炎を宿していた。
もう一人いた女性がいない。そして、ホシガリ様も。
ここにきて、僕は大体の事情を察した。なので、自分が知っていることを話すことに躊躇はなかった。別に隠すことはない。その必要もない。
「もちろん、お話します。僕のことを、助けて、くれたのでしょう・・・」
僕は、二人に語りだす。この家、浮内の家に伝わる、おぞましい物語を・・・。

