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天狐あやかし秘譚
第35章 真実一路(しんじついちろ)
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【真実一路】偽りのない真心をもって一筋に進むこと。
歪まないでまっすぐ伝えれば、伝わるんじゃないかな、みたいな。
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水中から浮かび上がるうたかたが水面に達して弾けるように、ぱちりと意識が戻った。目を開くと、見知った部屋の天井が映る。

綿貫亭・・・。なぜ、拙者は家にいるのだ?

「芝三郎!大丈夫?身体、なんともない?」

綾音の声。拙者は居間の『そふぁ』に寝かされていたようだった。起き上がろうとすると、首に鋭い痛みが走る。

「綾音殿・・・。母君は・・・。環殿の母君はどうされた・・・『ぷれぜんと』は?」

そう、拙者は間違っていたのだ。

死霊だと思っていた辻に立つ女『環の母』は生者であり、
生者だと思っていた少女、環こそが死者だったのだ。

だから、環は自分の姿を見た拙者に驚き、工作室でも手を出さず、自分の姿が視えぬからと母に贈り物を渡すのを拒否したのだ。

おそらく、拙者が勘違いしていただけで、環はたばかるつもりはなかったのだろう。
思えば、環の発言は、皆、彼女自身が死者だとしても道理が通るものばかりだった。

綾音がダリ殿をちらりと見る。そして、拙者に目を向けた。

「環ちゃん・・・ていうの?あの女の子・・・。あの子のお母さんは救急車で運ばれたわ。心神喪失・・・つまり、自分で自分が何をしているかわからない状態ってことで・・・入院してしまった・・・。そして、プレゼントは・・・」

綾音が示したのは、ぐちゃぐちゃに踏まれ、足跡がたくさんつき、あちこち破れてしまった『ぷれぜんと』の成れの果てだった。

なんという・・・ことだ。

「環は・・・?」

そうだ、環に謝らねばならない。それに、環がいればまた、『ぷれぜんと』を作り直せるやもしれない。
しかし、綾音は、ふと目を伏せた。

「芝三郎・・・動けるなら、行こうか・・・。環ちゃんのところに」

その表情に、拙者は何か不穏な気配を感じていた。
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