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天狐あやかし秘譚
第39章 有備無患(ゆうびむかん)
これが、私の陰陽師としての二回目の仕事・・・なのだが・・・、気のせいか、ハードな案件が多い気がする。私自身だって、病気になっちゃうかもしれない。

でも、しょうがない。お仕事だし!何より、清香ちゃんや、まあ、芝三郎も入れてやるか・・・のため、が、がんばるぞ!

むん、と拳を握る。

「お!やる気やな!ええで、その意気や。その気合で、あんじょうダリはんの充電、頼んまっせ」

最高の宿、用意しとるから。
ニヤニヤという土御門の言葉。その意味することを想像して、私の顔は真っ赤になる。

「つ・・・土御門様!!言い方!!セクハラです!!」
「え〜!なんでぇ!?わい、『充電』言うただけやん?それでセクハラって・・・あ!瀬良ちゃんてば、エッチなことを考・・・」
ゴスっ!と凄い音がする。土御門が皆まで言う前に、瀬良が手に持ったファイルを縦に振り下ろし、彼の脳天を撃ち抜いたのだ。

相変わらず・・・仲のよろしいことで・・・。

まあ、と、とにかく・・・きょ、今日は・・・え、英気を養わなければ・・・いけないんだよね?

土御門と瀬良の夫婦漫才を見ても、やっぱり私の顔は真っ赤なままだった。
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