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天狐あやかし秘譚
第41章 狂瀾怒濤(きょうらんどとう)

「イタツキ!!」
シラクモがなおも叫ぶ。片膝をついて、息が荒くなっている。彼も大分無理をしたようだと颯馬は思った。そして、奥の長身男性に女性が何かを言ったことで、そいつも動き始めた。
「親父殿・・・早く領巾を使わねば、真白が死ぬぞ」
その言葉に真白が驚いたように目を見開く。だが、颯馬はそちらを見ることなく、一足飛びにシラクモの横に飛び出していった。颯馬が、真白の表情の変化に気づくことはなかった。
「俺が相手をしよう・・・陰陽師!」
ゆうゆうと歩く長身の男は、どういうトリックか、宙空から長槍を取り出して見せる。
それを構えた瞬間、姿がゆらりとゆらぎ、変化をした。
『人じゃない!?』
頭に耳、背に尻尾・・・半人半獣という風情の男はにやりと笑う。
「たかが人間風情・・・この天狐に、敵うとでも?」
そして、そのまま古ぼけた槍を斜めに構え、疾風のごとく突進してきた。
シラクモがなおも叫ぶ。片膝をついて、息が荒くなっている。彼も大分無理をしたようだと颯馬は思った。そして、奥の長身男性に女性が何かを言ったことで、そいつも動き始めた。
「親父殿・・・早く領巾を使わねば、真白が死ぬぞ」
その言葉に真白が驚いたように目を見開く。だが、颯馬はそちらを見ることなく、一足飛びにシラクモの横に飛び出していった。颯馬が、真白の表情の変化に気づくことはなかった。
「俺が相手をしよう・・・陰陽師!」
ゆうゆうと歩く長身の男は、どういうトリックか、宙空から長槍を取り出して見せる。
それを構えた瞬間、姿がゆらりとゆらぎ、変化をした。
『人じゃない!?』
頭に耳、背に尻尾・・・半人半獣という風情の男はにやりと笑う。
「たかが人間風情・・・この天狐に、敵うとでも?」
そして、そのまま古ぼけた槍を斜めに構え、疾風のごとく突進してきた。

