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天狐あやかし秘譚
第45章 奸佞邪智(かんねいじゃち)
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【奸佞邪智】心がひねくれて、ずるがしこく立ち回ること。またその人。
心がねじけてて、口が達者で人を騙してほくそ笑む・・・みたいな。あ・・・悪人・・・
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「ぐわ!」
直近で鬼道からあふれる瘴気の直撃を受けた土御門は、たまらず剣を構えた姿勢のまま後ずさった。

「本当は相手をしてあげたいのですが、今は神宝の回収が先ですね・・・。本当に、出来の悪い息子を持つと苦労する・・・」
緋紅と名乗った男は、無造作に颯馬に手を伸ばす。颯馬はそれだけで縮こまり、ひれ伏した。

「お・・・お館様!どうか!どうか・・・足玉を・・・足玉を真白に!」
その姿を見て、緋紅が伸ばしかけていた手を止めた。
「イタツキ・・・僕はね、君を心配しているんだ・・・。足玉は君の病気も押し留めているんだよ?・・・それがなければ、君は数日も生きていられやしない」

なんということだ。そうだったのか。
真白が足玉がないと疱瘡神になってしまうように、颯馬もまた、足玉がなければ死んでしまう・・・。そうか、真白はそれを知っていて・・・だからあんなにも躊躇していたのだ。

「それに・・・その神宝は君のものじゃないよ・・・僕ら『中原の民』全員のものだ・・・真白ちゃんには悪いけど・・・分かって、くれるよね?」

そう言って笑った緋紅の笑顔を見て、私はゾッと背筋に怖気が走った。
そう、その笑顔があまりにも異質だったからだ。

口ではさも颯馬や真白を気遣うよう風を装っているが、彼らのことなど少しも考えてない、自分のためだけに嗤っている・・・、そういう笑顔だと思ったからだ。

「お願いいたします。わたくしの生命でも何でも差し出します・・・だから、どうか・・・どうか・・・真白を・・・人に、人に戻してください」

颯馬は彼がお館様と呼んだ、謎の男に額づいた。
男はしゃがみ込むと、颯馬が握りしめている足玉を手に取った。無理やり奪い取った、というより、颯馬が抵抗できずに自然に明け渡した、というような印象だった。

「足玉はね・・・大事な僕らの宝なんだよ?
 君の生命と釣り合うかい?
 自分勝手はいけないよね。
 ・・・いけない子には、罰を与えなきゃね・・・。」

そのまま立ち上がると、足玉を無造作にズボンのポケットにしまい込んだ。
その様子を呆然と颯馬は見上げることしか出来なかった。
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