この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第45章 奸佞邪智(かんねいじゃち)
でも、そんなこと言っても、今ここにいる中で力のない人間は私だ・・・けじゃない!
そうだ・・・!名越鉄研さんや、足玉を失った颯馬さんはどうなのだろう?彼らはなんの防御策もないままに疱瘡神の瘴気に晒されているのではないだろうか?

私は慌てて彼らの方に目をやった。
ちょうど私達が入るところから、真白の背後に名越鉄研がいる。鉄研は大きな木にもたれ、腰が抜けているのか、ガタガタ震えたまま動くことが出来ないでいた。ただ、その肌色や様子から病気になっている感じはない。また疫鬼も彼を『戦力外』とみなしているのか、襲いかかることはしていない。

疫鬼が襲っているのは主にダリと土御門である。どうやら、強い力を持つものを認識して自動的に襲いかかっている、ようだった。

颯馬は私達から見て、真白の右後ろにいた。こちらの状態は悪そうだ。疱瘡神の間近にいるせいだろうか。それとも、もともと持っていると言っていた病気を押さえられなくなったせいだろうか。とにかく、顔色がどんどん悪くなり地面に両手をついてあえぐように呼吸をしている。先程より頭髪の色が抜け、肌にシワが増え、その姿は、あたかも急速に年老いていっているかのように見える。

赤咬病ではない、何か別の病気に侵されている。
そう私には見えた。

とにかく、あのまま颯馬があそこにいたら生命の危険があるのではないか、と思わせるに十分な変化だった。
/726ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ