この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第45章 奸佞邪智(かんねいじゃち)
☆☆☆
空間が縦に裂け、そこからシラクモを背負った緋紅が姿を現した。

「「おかえりなさいませ。お館様」」
古鏡を手にした二人の巫女姿の女性が同時に言った。
緋紅は無造作にシラクモを床に転がすと、座椅子に腰を下ろす。

「ああ、ただいま。キヌギヌ、スクセ」

スクセと呼ばれた女性が持つ白い鏡からは、まるで映写機のようにとある情景を映し出している。遠くの情景を映し出すことができる神宝『沖津鏡』(おきつかがみ)の力だ。
もちろん、そこに映し出されている情景は、先程まで緋紅がいた場所、中類村北部の山中であり、今まさにダリ、土御門、瀬良、綾音が疱瘡神と化した真白と交戦している場所であった。

「お館様・・・?なぜ帰ってらしたのですか?
 お館様の八握剣なら、あの場の者、全て斬り伏せることが出来たでしょうに」

キヌギヌとスクセと呼ばれた二人の巫女は、一卵性双子なのか、外見上は同じ姿をしている。年の頃はまだ20そこそこといったところだろうか。まだあどけなさの残る顔立ちをしていた。ただ、持っている鏡の色が違うことで区別できる。

白い沖津鏡を持つスクセ
黒い辺津鏡を持つキヌギヌ

今の発言は辺津鏡(へつかがみ)の巫女、キヌギヌのものであった。

「そうだね・・・でもね、あれでいいんだよ。
 僕は種を蒔いたんだよ。
 あの疱瘡神はイタツキを愛している。
 イタツキもあの疱瘡神を愛している。
 どうなるかな・・・これから・・・楽しみだねぇ」

緋紅が薄暗い和室の中、肘掛けにもたれて、ニヤリと笑った。
/726ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ