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天狐あやかし秘譚
第45章 奸佞邪智(かんねいじゃち)

☆☆☆
「すごいよねぇ・・・人間って・・・。何かを守ろうという気持ち・・・なんと尊いのだろう。ほら見てご覧、キヌギヌ。真白はイタツキを守るためにギリギリで理性を保っているよ・・・。疱瘡神の力を制御している。
愛の力ってスゴイねえ」
「でも、お館様?あのまま陰陽師たちがイタツキを助けちゃったらまずいんじゃないですか?」
沖津鏡を持つ巫女、スクセが割って入ってきた。どうも、緋紅がキヌギヌとばかり話すのが気に食わなかったようで、その言い方に若干の険がある。
「そうなると思うかい?スクセ。真白はイタツキを守ろうとするよ・・・そのためにはさ、疱瘡神の力をもっともっと解き放つ必要があるよね・・・。
そう、理性も何もぶっ飛ばしてさ。
でもそうなったら・・・近くにいる人間、みんな殺しちゃうんだよ」
くっくっく・・・
「お館様楽しそう」
キヌギヌも笑う。
「ああ、そうだね。楽しいねえ。
大和の民が憎しみ合って、すれ違いあって、殺し合う様は・・・」
「イタツキ死んじゃう?」
スクセが言う。
「そうだねぇ。イタツキが死んだら、真白の理性を阻むものはなくなる。
目覚めた疱瘡神が陰陽師たちを一掃する。それが一番だね」
「お館様の計画通り?」
キヌギヌが首を傾げる。
「仮にそうならなくても、疱瘡神が一瞬でも完全覚醒すれば周囲の大和の民は大分死ぬだろうね。それでもいいや。」
それに、イタツキはもう役立たずだ。
ふふん、と鼻で笑い、緋紅が視線をスクリーンに戻す。
その先では、今まさに土御門とダリが放った攻撃が疱瘡神に到達せんとする所が映し出されていた。
「さあ、そろそろ・・・疱瘡神を取り込まされた一族の悲劇の物語
その悲しくて美しい結末が見られるよ・・・」
緋紅の口にいやらしい笑みが浮かんでいた。
「すごいよねぇ・・・人間って・・・。何かを守ろうという気持ち・・・なんと尊いのだろう。ほら見てご覧、キヌギヌ。真白はイタツキを守るためにギリギリで理性を保っているよ・・・。疱瘡神の力を制御している。
愛の力ってスゴイねえ」
「でも、お館様?あのまま陰陽師たちがイタツキを助けちゃったらまずいんじゃないですか?」
沖津鏡を持つ巫女、スクセが割って入ってきた。どうも、緋紅がキヌギヌとばかり話すのが気に食わなかったようで、その言い方に若干の険がある。
「そうなると思うかい?スクセ。真白はイタツキを守ろうとするよ・・・そのためにはさ、疱瘡神の力をもっともっと解き放つ必要があるよね・・・。
そう、理性も何もぶっ飛ばしてさ。
でもそうなったら・・・近くにいる人間、みんな殺しちゃうんだよ」
くっくっく・・・
「お館様楽しそう」
キヌギヌも笑う。
「ああ、そうだね。楽しいねえ。
大和の民が憎しみ合って、すれ違いあって、殺し合う様は・・・」
「イタツキ死んじゃう?」
スクセが言う。
「そうだねぇ。イタツキが死んだら、真白の理性を阻むものはなくなる。
目覚めた疱瘡神が陰陽師たちを一掃する。それが一番だね」
「お館様の計画通り?」
キヌギヌが首を傾げる。
「仮にそうならなくても、疱瘡神が一瞬でも完全覚醒すれば周囲の大和の民は大分死ぬだろうね。それでもいいや。」
それに、イタツキはもう役立たずだ。
ふふん、と鼻で笑い、緋紅が視線をスクリーンに戻す。
その先では、今まさに土御門とダリが放った攻撃が疱瘡神に到達せんとする所が映し出されていた。
「さあ、そろそろ・・・疱瘡神を取り込まされた一族の悲劇の物語
その悲しくて美しい結末が見られるよ・・・」
緋紅の口にいやらしい笑みが浮かんでいた。

