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天狐あやかし秘譚
第50章 【第11話 管狐】辺幅修飾(へんぷくしゅうしょく)
☆☆☆

ああ・・・いけない、うたた寝をしていた。
車窓から見える景色が大分、都市部のそれになっていた。車内アナウンスが『三ノ宮』と次の駅の名を告げる。どうやら降車する寸前で目が目が覚めたようだった。

随分、センチメンタルな夢を見たものだ。
40を過ぎたおじさんが見るには、だ。

同窓会で顔を合わせるから、だろうか・・・。
開始まであと、30分ほどだ。

案内のはがきを見る。開始時間は17時、今は16時30分だ。
駅から会場のホテルまではほんの15分程度だったと思う。
いつも慎重な自分としては信じられないほどのギリギリの到着だ。

やっぱり、気が重いのだろうな・・・。

私が同窓会の知らせを受けたのは2ヶ月ほど前だった。品々物之比礼が奪われ、占部衆、そして噂では八咫烏までが駆り出されての大捜索が繰り広げられた。その甲斐あって1月にはその在処が特定されたものの、疱瘡神が絡んでいる可能性が示唆されたことから、陰陽寮最高戦力である土御門様、綾音さん、ダリさんらが神宝の奪還に向かうことになった。私もこのときにバックアップとして大鹿島様、敷島さんと一緒に結界を張る任務にあたることとなった。

結果として疱瘡神は封印できたものの、神宝は奪わることとなってしまった。さらに言えば十種の神宝の内、おそらく半数以上を所有する謎の男の存在も明らかになった。これは、はっきり言って天下国家の一大事といっていいレベルのことだ。

なのに、私はこんなところで休暇を取っていていいのだろうか?
やっぱり、来るべきではなかったのではないだろうか?

任務を終え、京都支所で事後処理をしていた時、ほんの雑談のつもりで高校の同窓会の案内がきたことを言ってしまった。それを耳ざとく聞きつけたのが土門さんだった。

「宝生前さん!高校の同窓会って・・・すぐ近くですよね?確か、ご実家」

そう、占部衆筆頭、丞の一位である土門杏里は、『千里眼』という二つ名をいただいてる。その専門が占いと情報収集であることもあり、異様にいろいろなことを知っていることに由来する。千里眼の土門にとって、隣の係の係員の実家を把握するなど、基礎中の基礎なのだろう。
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