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天狐あやかし秘譚
第56章 【第13話:天邪鬼】三人成虎(さんにんせいこ)

2年生になってクラスが別々になっても、私達の友人関係は変わらず続いた。
やや陰キャ傾向がある私とはいえ、やはり思春期女子である。ちょっといいなという男子はいる。京依ちゃんとの間でも恋バナが花を咲かせるときもあった。
京依ちゃんはあれだけ男子に囲まれていながらも、余り恋愛に頓着がないようで、主に私の好きな人の話を聞きたがった。私は2年生で同じクラスになった小野君が気になっている、という話をした。小野くんとは春の調べ学習で同じ班になって話すようになったのだが、パッと目立つ感じではないけれども、頭が良くて、いろんなことをよく知っていて、とても好感が持てた。
「好きなの?」
そう京依ちゃんに聞かれてドキンとしてしまう。玲ちゃんがどんな子を好きなのか見に行きたいと言われて、廊下から「あの人」と指さして教えたこともあった。どうやら小野くんは京依ちゃんの好みではなかったようで、「ふーん」くらいのリアクションではあったが・・・。
京依ちゃんは私の恋を応援しようとしてくれた。
「デートに誘いなよ」とか
「誕生日聞いた?」とか。
その度に「私は京依ちゃんみたいな陽キャじゃないから」と言ってお茶を濁していたが、「せっかくの青春だし、当たって砕けろ!」などとさんざん説得された。
私がヘタレだったこともあり、結局、小野くんに明確な好意を伝えられたのは、年が明けたころ、つい最近だった。本当はバレンタインデーに・・・とか思っていたのだが、京依ちゃんからの推しがあったのと、バレンタインに告白なんてベタなこと・・・と思ってしまった私がいて、結局、特に何でもない日に放課後、私が作った革製のペンケースをプレゼントとして渡しながらの告白となった。
ちなみに、革製のペンケースにしたのも京依ちゃんのアドバイスによるものだった。
「手編みのマフラーとかは最初からきついっしょ」
「それでも普段使えて・・・ちょっと嬉しくて、玲ちゃんらしいやつ」
などなど、色々一緒に考えた結果だった。
告白がうまくいって、何度かデートを重ねることになる。
小野くんは、やっぱり思っていた通りの人だった。
優しくて、物知りで、話していて飽きなかった。
多分、京依ちゃんがいなければ小野くんとこんな関係になることはなかったに違いない。
だから、京依ちゃんには、すごく感謝している。
なのに・・・。
やや陰キャ傾向がある私とはいえ、やはり思春期女子である。ちょっといいなという男子はいる。京依ちゃんとの間でも恋バナが花を咲かせるときもあった。
京依ちゃんはあれだけ男子に囲まれていながらも、余り恋愛に頓着がないようで、主に私の好きな人の話を聞きたがった。私は2年生で同じクラスになった小野君が気になっている、という話をした。小野くんとは春の調べ学習で同じ班になって話すようになったのだが、パッと目立つ感じではないけれども、頭が良くて、いろんなことをよく知っていて、とても好感が持てた。
「好きなの?」
そう京依ちゃんに聞かれてドキンとしてしまう。玲ちゃんがどんな子を好きなのか見に行きたいと言われて、廊下から「あの人」と指さして教えたこともあった。どうやら小野くんは京依ちゃんの好みではなかったようで、「ふーん」くらいのリアクションではあったが・・・。
京依ちゃんは私の恋を応援しようとしてくれた。
「デートに誘いなよ」とか
「誕生日聞いた?」とか。
その度に「私は京依ちゃんみたいな陽キャじゃないから」と言ってお茶を濁していたが、「せっかくの青春だし、当たって砕けろ!」などとさんざん説得された。
私がヘタレだったこともあり、結局、小野くんに明確な好意を伝えられたのは、年が明けたころ、つい最近だった。本当はバレンタインデーに・・・とか思っていたのだが、京依ちゃんからの推しがあったのと、バレンタインに告白なんてベタなこと・・・と思ってしまった私がいて、結局、特に何でもない日に放課後、私が作った革製のペンケースをプレゼントとして渡しながらの告白となった。
ちなみに、革製のペンケースにしたのも京依ちゃんのアドバイスによるものだった。
「手編みのマフラーとかは最初からきついっしょ」
「それでも普段使えて・・・ちょっと嬉しくて、玲ちゃんらしいやつ」
などなど、色々一緒に考えた結果だった。
告白がうまくいって、何度かデートを重ねることになる。
小野くんは、やっぱり思っていた通りの人だった。
優しくて、物知りで、話していて飽きなかった。
多分、京依ちゃんがいなければ小野くんとこんな関係になることはなかったに違いない。
だから、京依ちゃんには、すごく感謝している。
なのに・・・。

