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天狐あやかし秘譚
第61章 怒髪衝天(どはつしょうてん)
☆☆☆
事案が起こった夜から明けて次の日の昼下がりのこと。

「ほーん・・・。土門はん、無事やったんね。それは良かった」
宝生前が事件の概要について報告し、その内容に土御門が微笑む。
ここは土御門の執務室である。『助の一位』という役柄上、会議なども多いことから、土御門の部屋は広めに設計されている。今は、その会議スペースの一番上座に当たるところに土御門、土御門に向かって右に瀬良、左に土門、瀬良の隣に宝生前、土門の隣に冴守が座っていた。

今回の事案についての報告会を開いているところである。

「囚われていた女性たちも命には別状はないようです。ただ・・・」
冴守が、事後処理についての報告を始めた。

まずは、囚われていた女性たちの件である。8人の女性が囚われており、長い人で1ヶ月弱、短い人では1週間ほど異界にいたとのことである。その間、水や食べ物は最低限供給されていたようだが、程度の差こそあれ、肉体的な衰弱はかなりのものだった。

加えて、彼女らはあやかしと一体になった男、鹿島広大(かしま こうだい)にそれぞれ数回から多い者で30回以上犯されており、それに伴う身体的損傷や精神的ショックも大きかった。

「女性たちは都内の病院に分散して収容して、しばらくは心身両面の治療を行う予定です。その後は、怪異被害専門のカウンセリングを受けていただくことになります」

「で?結局、その鹿島っちゅうのは何をしたわけ?」
「鹿島は田村実花という女性と同棲していたのですが、いわゆるDVをしていたようです」

冴守が言うことを要約するとこういうことのようだ。

鹿島と田村は友人の紹介で付き合い始め、3ヶ月前から同棲し始めたそうだ。互いに24歳と25歳と、年も近く適齢期でもあり、双方、結婚を意識していたそうだ。ところが、最初は優しかった鹿島だったが、次第に田村のちょっとした行動、例えば友人と電話で話す、などを捉えては『誰と話をしていたんだ』などと詮索するようになったとのことだった。

激しい嫉妬心故か、次第にそういった行為は強度と偏執性を増していった。田村の交友関係を制限したり、スマホの通話履歴を毎日のように提出させたり、ついには外出すら制限するようになったそうだ。
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