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天狐あやかし秘譚
第61章 怒髪衝天(どはつしょうてん)
「土門はーん・・・大丈夫でっか?」
土御門が声を掛けると、一瞬は「ハイ!」としゃっきりするが、すぐに宝生前の方を見て、だらしなく頬を緩め、きゃ~などと言って妄想の世界に入り込む・・・ということを繰り返していた。

「ま、まあ、ええか。とにかく解決したっちゅうことで。で?融合していた本来の『辻神』ちゃんはどうなったん?」

そう、辻神なのだが、鹿島に取り憑いていた本体については祭部の方で除霊の儀式を行い、現在その封印方法について検討しているとのことだった。宝生前によると、あの神社で行われていたように、石敢當(いしがんとう)を用いて封印するのが最も効率が良い、とのことだったので、おそらくそうなるだろう。

ついでに言うと、鹿島であるが、かなり衰弱してしまったようで、現在は宮内庁病院の集中治療室にて治療を受けているとのことだった。担当医によれば肉体の損傷以外にも記憶の混乱が激しく、もとの生活に戻ることができるようになるまでには相当の年月がかかるらしい。これは、1ヶ月以上あやかしに取り憑かれたこともさることながら、最後の土門の召雷白辰大砲による損傷の影響がかなり大きかったようだった。

土門の怒り、恐るべしである。

鹿島の身柄は、治療が終わり次第、検察に送られ、裁判にかけられる予定である。

なにはともあれ、こうして陰陽寮に持ち込まれた奇妙な『辻神事件』は、その原因となるあやかしの封印、取り憑かれていた人間の逮捕という結末で幕を下ろしたのであった。
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