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天狐あやかし秘譚
第62章 【第15話 黄泉平坂】不知不覚(ふちふかく)
「取り戻せるんだぜ?な?悪い話じゃないだろう?」
立っている男が言った。
「さあ、行こう・・・お兄ちゃんたちは、味方だよ・・・」
うずくまっている男が妙な猫なで声で言う。

なあ・・・麻衣ちゃん・・・。

「!?」
男が呼んだ名に、可奈子はびっくりしてしまった。その拍子に手が扉にぶつかり音を立てる。

「誰だ!?」
立っている男がこちらを見た。その目が可奈子をしっかりと捉える。
「んだよ・・・気付かれじゃねえかよ、クチナワ!だから最初から俺は嫌だったんだ、こんなちまちましたこと!さっさとかっさらえばよかったんだよ!」

うずくまっていた男が立ち上がる。その姿を見て、可奈子は驚愕した。

な・・・何あれ・・・!?

立ち上がった男の頭は廊下の天井に届かんばかりだった。2メートルか、もしかしたらそれ以上ある!
そして、先程までは暗がりでよく見えなかったが、その両の腕は幼い子どもの胴体ほどの太さがあった。

「見つかっちまったんだ・・・もう、予定変更でいいよな?クチナワ!」
「ああ、しょうがない・・・お館様も許してくださるだろう」

皆殺しコースと行こうか・・・

そう言って、クチナワと呼ばれた男が廊下の壁に手をつくと、壁から、天井から大量の蛇が湧き出してきた。

「ひいぃ!!」
可奈子は悲鳴を上げる。あまりの異常な光景に腰が抜けて動けなくなっていた。蛇が廊下に溢れかえる前に、麻衣のことをクチナワが抱きかかえた。恐怖故か、わけがわかっていないのか、麻衣は大人しくクチナワに抱かれるままになっていた。

「おっと、クチナワ!女は殺すなよ?ガキにゃあ興味ないが、あの女はいただくぜ」
「ん?なんだ、またかよカダマシ・・・。お楽しみも大概にしとけよ」

そう言っている間に、湧き出した大量の蛇が子どもたちの眠っている居室に入っていく。たちまち、あちらこちらで子どもたちの悲鳴が聞こえてきた。

「ああ・・・安心して安心して・・・噛まれてもすぐは死なないからさ。身体動かなくなるだけ。それで1時間位で呼吸困難で死ぬ・・・だけだからさ」

くっくっく・・・とクチナワが笑う。
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