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天狐あやかし秘譚
第67章 危急存亡(ききゅうそんぼう)
☆☆☆
「ん?あんたがダリ?てっきり外国人かと」

左前がダリを連れて調査室に入ると、京本は怪訝そうな顔をした。カダマシからは『ダリという奴と一緒に探せ』としか言われていなかったらしい。

ダリは今、耳も尻尾も出していない。人間モードである。

本来ならば、陰陽寮の存在や場所は秘匿事項である。ましてや、妖怪の存在などは一般の人に知られてよいわけがない。厳重に正体を隠すよう、土御門はダリに言い含めていたのだ。

「ふーん、ま、いいや。でもどうすんだい?今20時だぜ?これから出発するのかい?そもそも一体どこに・・・」
「黙れ」

ペラペラと軽口を叩く京本をギロリとダリが睨みつける。
「へいへい・・・おっかねえね・・・」
京本の方も負けてはいない。ひょいと肩を竦めるとどっかと座って足を組む。

「出発は明日にしようぜ。なあ?俺はこのダリっていう奴をずっと見張るよう言われてんだがな、もう腹も減ったし疲れてんだよ。な?今日のところはどっかホテルでも取って・・・」
京本の言葉が途切れる。ダリが無言で彼に近づいたからだ。

「だ・・・ダリさん?」
異変を察知した左前が、ダリに追いすがろうとする。
「な・・・何だよ、てめえ・・・」
無言で近づくダリに気圧されたのか、ぐっと身を逸らすように京本はのけぞっていた。
「時間がない・・・行くぞ」
ダリがおもむろに京本の手を取る。
「な・・・」
おそらく京本は何かを言いかけたのだろう。しかし、言い終わらぬうちにダリと京本を中心に旋風が巻き起こる。目を開けていられないほどの強風に、左前はたまらず顔を覆う。

「ダリさん!!」
風が収まり、左前が目を開けると、調査室の窓は解き放たれ、ダリも京本も姿を消していた。
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