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天狐あやかし秘譚
第67章 危急存亡(ききゅうそんぼう)

☆☆☆
「どうしたんだい?綾音。なんとなく元気ないみたいだけど・・・。会社で何かあった?」
緋紅さんが笑いかけてくれる。
付き合い始めて半年のお祝い。それをしようと言ったのは、たしか私だったはず。
彼は『いつものように』とても優しい。
なのに・・・
緋紅さんと夕食を食べているときも、私の心はなんとなく浮かなかった。
自分でも、理由がわからないのだ。
「う・・・ん・・・なんだろ・・・ごめんなさい・・・」
ステーキを切る手が止まってしまった。ふっと、緋紅さんが微笑んで、私の横に来てくれる。
「僕は、君の彼氏だよ?なんか困ったことがあったら教えてほしい・・・な」
自然と抱き寄せられる身体。ことん、と彼の肩に頭が乗った。
温かい。・・・ずっと、ずっと私が求めていたもの・・・
間違いない。間違いない。
私は三人姉弟の真ん中だった。姉も弟も超優秀。それに比して凡人たる私は、家庭の中でいつも肩身の狭い思いをしていた。姉たちが次々と輝かしい結果を出している中、私はいくら頑張ってもそれに追いつくことなんてできなかった。
いつも、自分は誰かの一番にはなれない・・・そう思って生きてきた。
緋紅さん・・・私を大事だといい、私のことを心配してくれる、私を一番だと言ってくれる。ずっと、ずっと私が求めていた人・・・だった。
ぽんぽん、と優しく髪を撫でられるのは、やっぱり嬉しい。
「ごめんなさい。うん、大丈夫。・・・食べよ?」
胸に引っかかっているものを無理やりワインで押し流して、私は再びステーキに取り掛かった。
今日は、緋紅さんが泊まっていく、という。
明日は会社はお休みだ。だから、今日は、一晩中・・・。
少し、顔が紅潮するのを感じる。
彼と付き合い出したのは、昨年の秋。それから、キスをされたり、抱きしめ合ったり、ペッティングというのだろうか・・・彼に気持ちよくされちゃったりというのは何度かあって・・・11月に瀬戸内海の島に旅行に行ったとき、初めて彼に抱かれたんだった。
ドキドキしながら初めて受け入れた彼のモノはどこまでも私を深く満たしてくれた。
それ以来、何度も、何度も抱かれた。その度に私の身体は新しい女の悦びを覚え、教えられ、知ることになった。
「どうしたんだい?綾音。なんとなく元気ないみたいだけど・・・。会社で何かあった?」
緋紅さんが笑いかけてくれる。
付き合い始めて半年のお祝い。それをしようと言ったのは、たしか私だったはず。
彼は『いつものように』とても優しい。
なのに・・・
緋紅さんと夕食を食べているときも、私の心はなんとなく浮かなかった。
自分でも、理由がわからないのだ。
「う・・・ん・・・なんだろ・・・ごめんなさい・・・」
ステーキを切る手が止まってしまった。ふっと、緋紅さんが微笑んで、私の横に来てくれる。
「僕は、君の彼氏だよ?なんか困ったことがあったら教えてほしい・・・な」
自然と抱き寄せられる身体。ことん、と彼の肩に頭が乗った。
温かい。・・・ずっと、ずっと私が求めていたもの・・・
間違いない。間違いない。
私は三人姉弟の真ん中だった。姉も弟も超優秀。それに比して凡人たる私は、家庭の中でいつも肩身の狭い思いをしていた。姉たちが次々と輝かしい結果を出している中、私はいくら頑張ってもそれに追いつくことなんてできなかった。
いつも、自分は誰かの一番にはなれない・・・そう思って生きてきた。
緋紅さん・・・私を大事だといい、私のことを心配してくれる、私を一番だと言ってくれる。ずっと、ずっと私が求めていた人・・・だった。
ぽんぽん、と優しく髪を撫でられるのは、やっぱり嬉しい。
「ごめんなさい。うん、大丈夫。・・・食べよ?」
胸に引っかかっているものを無理やりワインで押し流して、私は再びステーキに取り掛かった。
今日は、緋紅さんが泊まっていく、という。
明日は会社はお休みだ。だから、今日は、一晩中・・・。
少し、顔が紅潮するのを感じる。
彼と付き合い出したのは、昨年の秋。それから、キスをされたり、抱きしめ合ったり、ペッティングというのだろうか・・・彼に気持ちよくされちゃったりというのは何度かあって・・・11月に瀬戸内海の島に旅行に行ったとき、初めて彼に抱かれたんだった。
ドキドキしながら初めて受け入れた彼のモノはどこまでも私を深く満たしてくれた。
それ以来、何度も、何度も抱かれた。その度に私の身体は新しい女の悦びを覚え、教えられ、知ることになった。

