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天狐あやかし秘譚
第67章 危急存亡(ききゅうそんぼう)
「綾音の心臓・・・すごいドキドキしている」
言われてなおさらどきりとしてしまう。

唇が触れ合う。最初は軽く、彼の唇が私のそれをついばむみたいに。
何度も、何度も交わされる軽いキス。それだけで私の中は蕩けていき、背筋はこれから身体にもたらされる快感を予想してゾクゾクと震えていた。

「可愛いね・・・綾音・・・」
ついばむようなキスから、唇を重ね、舌が絡むような熱い口づけに変わる。彼の右手がお尻をなぞり、脇腹を撫ぜ、バストにたどり着く。そこを強く揉まれると、やや乱暴なくらいの愛撫が逆に気持ちよく感じるから不思議だ。

唇が離される。きっと私、今、震えるような目をしている。
彼に抱いてほしくて、満たしてほしくて、女の部分はジュンと濡れてきているのが分かった。

こんなふうにされてしまった。
ほんの半年前まで、キスをやっと経験したくらいの私が、この人の・・・手で、舌で、身体で・・・そして、アレで・・・女の悦びを身体中に刷り込まれてしまっていた。

「今日も、愛していいかい?」
決して彼は無理を言わない。強引に私に迫ってくることはしない。
コクリ、と私は頷く。
そのままベッドに導かれて、そっと寝かされた。彼の体重が身体に乗り、その心地よい重さがまた嬉しく感じる。身体に手を回し、もう一度キス。

瞳を・・・視線を交わす。

「まぐわう」という言葉が「目合」と書くことを実感する。目と目を合わせながら抱き合うと、深く愛されていることを実感する。

それも、あなたが教えてくれたことだった。

ナイティのボタンがひとつひとつ外される。ゆっくりと私の身体が顕になっていく。あなたに生まれたままの姿を見せる、見られるのは、やっぱりまだ恥ずかしい。

「んっ♡」
ちゅぷっと乳首を口に含まれると甘美な刺激が乳房の奥まで響いてくる。ころころとキャンディでも舐めるかのように転がされる。右手がいつの間にか、アンダーウェアの中に入り込んでおり、くりくりと敏感な肉の芽を捉えていた。
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