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人外に愛される【短編集】
第1章 インキュバスくんは愛したい


その日の夜に、俺は待ちきれない様に足早に村に行った。






村に入ってそれはすぐに目に入った。

いつもなら、村人達は家の中にいる様な時間だったが、何故か教会に集まっている。







嫌な予感がした。







「……何かあったんですか?」

俺は人間のフリをして、啜り泣く女に声をかけた。








「10年前に行方不明になっていたマリアちゃんが、禁忌の森で見たかったんです。」








その言葉に俺は頭が真っ白になった。

「何をしている!!」

村人の怒号が聞こえる中、俺は中心にある棺桶の蓋を開けた。








中に入っていたのは幼い。

そう、初めてマリアと森で会った位の女の子の遺体があった。

その遺体が着ていたのは、あの時マリアが来ていた白いワンピースだった。






「……嘘だ……。」

誰かが俺の首を掴んで、棺桶から引き離した。

俺はその【マリア】と言う少女の姿に体を震わせた。







村人に追いやられる様に教会から出されて、俺はフラフラと禁忌の森まで歩いて行った。








そんなはずが無い。








あの傷んだ、ミイラみたいな死体がマリアだと言うなら。

俺が禁忌の森で出会った少女は。

この10年村に居た少女は誰だと言うのだ。








森の中は魔物の声と、風の音が聞こえていた。

『馬鹿だね。』

『落ちこぼれの淫魔。』







魔物達の声が囁く様に木霊している。







俺は一体何を見落としていたのだろう。

おかしくなりそうな頭を掻き毟った。

それでも答えは分からない。







ただ1つ分かった事は。







マリアはもう俺の前には現れない。








          ー完ー
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