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人外に愛される【短編集】
第2章 カ タ バミ 様

涼介が禁忌の森に入った姿が見えた。
「涼ちゃん!!」
必死に叫んだが涼介はそのまま森の中に消えて行った。
はぁ…はぁ…はぁ…。
森の入り口で鈴は荒くなった息を整えた。
まさか涼介が禁忌の森に入ったなんて。
嫌な予感がする。
こんな時間に、禁忌の森に入るなんて尋常じゃ無い。
「…はぁぁ……。」
鈴は顔を上げて、暗い森の中を見た。
全身が恐怖で震えている。
でも涼介を連れ帰さなければ。
その気持ちだけで、鈴は森の中に入って行った。
「涼ちゃん!!涼ちゃん!!」
何度叫んでも自分の声が森に響くだけだ。
「はぁ…はぁ……。」
疲れている訳じゃ無い、恐怖で漏れた声が息として出ているだけだ。
(怖い!怖いよぉ!!)
鈴は涙を流しながら、それでも森の中を歩いて行った。
「あっ!!」
躓いた鈴の体が倒れた。
「はぁ…はぁ…はぁ……うう…。」
擦りむいた膝を見ながら、鈴はとうとう座り込んで泣き出した。
「涼ちゃん…涼ちゃん…。」
怖くて、心細かくて、鈴は膝を抱えた。
どれだけ時間が経っただろう。
【カタバミ】様がいつ現れるか分からなくて、それが余計怖い気持ちを高まらせる。
「鈴!!」
涼介の声が聞こえて、鈴はすぐに頭を上げた。
「涼ちゃん!!」
泣いている鈴に走って近寄って、涼介は鈴を抱き上げた。
「何やってるんだ!こんな夜に!!」
涼介は焦ったように言った。
「だって涼ちゃんが森の中に入っていったから…。」
涼介に会えて気持ちが緩んだら、涙が滝の様に流れた。
「早く、森を出よう。」
涼介は鈴を抱き抱えたまま走り出した。
「涼ちゃん!!」
必死に叫んだが涼介はそのまま森の中に消えて行った。
はぁ…はぁ…はぁ…。
森の入り口で鈴は荒くなった息を整えた。
まさか涼介が禁忌の森に入ったなんて。
嫌な予感がする。
こんな時間に、禁忌の森に入るなんて尋常じゃ無い。
「…はぁぁ……。」
鈴は顔を上げて、暗い森の中を見た。
全身が恐怖で震えている。
でも涼介を連れ帰さなければ。
その気持ちだけで、鈴は森の中に入って行った。
「涼ちゃん!!涼ちゃん!!」
何度叫んでも自分の声が森に響くだけだ。
「はぁ…はぁ……。」
疲れている訳じゃ無い、恐怖で漏れた声が息として出ているだけだ。
(怖い!怖いよぉ!!)
鈴は涙を流しながら、それでも森の中を歩いて行った。
「あっ!!」
躓いた鈴の体が倒れた。
「はぁ…はぁ…はぁ……うう…。」
擦りむいた膝を見ながら、鈴はとうとう座り込んで泣き出した。
「涼ちゃん…涼ちゃん…。」
怖くて、心細かくて、鈴は膝を抱えた。
どれだけ時間が経っただろう。
【カタバミ】様がいつ現れるか分からなくて、それが余計怖い気持ちを高まらせる。
「鈴!!」
涼介の声が聞こえて、鈴はすぐに頭を上げた。
「涼ちゃん!!」
泣いている鈴に走って近寄って、涼介は鈴を抱き上げた。
「何やってるんだ!こんな夜に!!」
涼介は焦ったように言った。
「だって涼ちゃんが森の中に入っていったから…。」
涼介に会えて気持ちが緩んだら、涙が滝の様に流れた。
「早く、森を出よう。」
涼介は鈴を抱き抱えたまま走り出した。

