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人外に愛される【短編集】
第2章 カ タ バミ 様
涼介の体の大きさからしたら、鈴は子供の様に小さかった。
その為、足場の悪い山道でも、鈴を抱えて早く歩く事は出来た。
「ああ、涼ちゃん。涼ちゃん。」
鈴は泣きじゃくりながら、涼介の首に両腕を巻き付けた。
本当に涼ちゃんは……。
怖い時に助けてくれる私の王子様だ。
こんな暗い山道で、涼介は道が分かるのだろうか。
迷いなく歩いている涼介に鈴は疑問に思った。
だけど、涼介ならこの森から抜け出せるかもしれない。
涼介に抱かれている安心感に、鈴は目を瞑った。
『…一……緒ニ…ナり…タイ…。』
「?!」
森の暗闇の中から、あの声が聞こえた。
鈴は思わず目を開けると、涼介の肩越しから赤い光を見た。
暗闇に浮かぶ2つの赤い光。
それが光ではなくて、目だと言う事に気が付いたのは、その目がギロッと鈴を見たからだ。
「きゃあああああ!!涼ちゃん!!」
「鈴!!」
涼介は鈴の頭を掴むと、自分の肩に鈴の顔を押し付けた。
「鈴!目を瞑ってろ!!」
涼介にそう言われて、鈴はぎゅっと目を瞑った。
だけど……初めて【カタバミ】様の顔を見てしまった。
アレは……。
人間じゃ無い。
黒いドロドロした液体の様なモノが顔中に張り付いていて、見えている皮膚でさえ浅黒く…。
まるで焼死体が歩いている様だった。
『カエ…ろ……。』
『1…つ二…ナる……。』
「やだ!!涼ちゃん!!」
目を瞑っていても【カタバミ】様の声がハッキリ聞こえる。
鈴は狂った様に、涼介の名前を叫び続けた。
その為、足場の悪い山道でも、鈴を抱えて早く歩く事は出来た。
「ああ、涼ちゃん。涼ちゃん。」
鈴は泣きじゃくりながら、涼介の首に両腕を巻き付けた。
本当に涼ちゃんは……。
怖い時に助けてくれる私の王子様だ。
こんな暗い山道で、涼介は道が分かるのだろうか。
迷いなく歩いている涼介に鈴は疑問に思った。
だけど、涼介ならこの森から抜け出せるかもしれない。
涼介に抱かれている安心感に、鈴は目を瞑った。
『…一……緒ニ…ナり…タイ…。』
「?!」
森の暗闇の中から、あの声が聞こえた。
鈴は思わず目を開けると、涼介の肩越しから赤い光を見た。
暗闇に浮かぶ2つの赤い光。
それが光ではなくて、目だと言う事に気が付いたのは、その目がギロッと鈴を見たからだ。
「きゃあああああ!!涼ちゃん!!」
「鈴!!」
涼介は鈴の頭を掴むと、自分の肩に鈴の顔を押し付けた。
「鈴!目を瞑ってろ!!」
涼介にそう言われて、鈴はぎゅっと目を瞑った。
だけど……初めて【カタバミ】様の顔を見てしまった。
アレは……。
人間じゃ無い。
黒いドロドロした液体の様なモノが顔中に張り付いていて、見えている皮膚でさえ浅黒く…。
まるで焼死体が歩いている様だった。
『カエ…ろ……。』
『1…つ二…ナる……。』
「やだ!!涼ちゃん!!」
目を瞑っていても【カタバミ】様の声がハッキリ聞こえる。
鈴は狂った様に、涼介の名前を叫び続けた。