この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
人外に愛される【短編集】
第2章 カ タ バミ 様
涼介の体の大きさからしたら、鈴は子供の様に小さかった。

その為、足場の悪い山道でも、鈴を抱えて早く歩く事は出来た。







「ああ、涼ちゃん。涼ちゃん。」

鈴は泣きじゃくりながら、涼介の首に両腕を巻き付けた。








本当に涼ちゃんは……。

怖い時に助けてくれる私の王子様だ。







こんな暗い山道で、涼介は道が分かるのだろうか。

迷いなく歩いている涼介に鈴は疑問に思った。

だけど、涼介ならこの森から抜け出せるかもしれない。

涼介に抱かれている安心感に、鈴は目を瞑った。














『…一……緒ニ…ナり…タイ…。』












「?!」








森の暗闇の中から、あの声が聞こえた。

鈴は思わず目を開けると、涼介の肩越しから赤い光を見た。







暗闇に浮かぶ2つの赤い光。

それが光ではなくて、目だと言う事に気が付いたのは、その目がギロッと鈴を見たからだ。







「きゃあああああ!!涼ちゃん!!」

「鈴!!」

涼介は鈴の頭を掴むと、自分の肩に鈴の顔を押し付けた。








「鈴!目を瞑ってろ!!」

涼介にそう言われて、鈴はぎゅっと目を瞑った。







だけど……初めて【カタバミ】様の顔を見てしまった。







アレは……。

人間じゃ無い。







黒いドロドロした液体の様なモノが顔中に張り付いていて、見えている皮膚でさえ浅黒く…。

まるで焼死体が歩いている様だった。







『カエ…ろ……。』

『1…つ二…ナる……。』







「やだ!!涼ちゃん!!」

目を瞑っていても【カタバミ】様の声がハッキリ聞こえる。

鈴は狂った様に、涼介の名前を叫び続けた。





/34ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ