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人外に愛される【短編集】
第1章 インキュバスくんは愛したい
腕に力が入らなくなったマリアから手を離した。

はぁ…と大きく息を吸ったマリアは、暴れる事なく涙を溜めながら俺を見上げていた。






そんなマリアから漂う匂いで、俺の理性も吹き飛ぶ。

「マリア。」

マリアに覆い被さって、彼女の口をこじ開けて舌を押し込んだ。






口の奥に舌を入れて、上顎の裏を舐めると、マリアからも声が漏れた。

淫魔の体液には、強力な催淫作用があるから、しっかりとマリアに注いだ。

キスも下手くそなマリアを痛みで傷付けたくは無かった。







「マリア…可愛い…、ずっとこうしたかった。」

何度もキスを繰り返して、マリアの足首に手を触れた。

足首から太ももに向かって手を這うと、マリアの背中が跳ねた。







薄いネグリジェは簡単にマリアの細い足をあらわにする。

「…やだ…やめて……っ。」

マリアが目を瞑ったら、涙が彼女の頬を流れた。







おかしいな?まだ自我が残っている。

顔は紅潮しているのに、嫌がる様に首を振るマリアを見て、胸が痛んだ。







ーー神というのは、本当に要らない存在だ。







普段姿すら見せないのに、信仰深い人間には、こうして無用な加護を強める様だ。






「大丈夫だよ。俺に身を任せて。」

ちゅっちゅっとマリアの細い首筋に唇を落として、ネグリジェの上から彼女の乳房を握った。






「ああ柔らかい……。」

初めて触るマリアの胸は、とても柔らかくてしばらく触っていたかった。

だけど、さっきから疼いて痛い俺の下半身は、そんな余裕を与えてくれない。







もっとマリアの乱れた顔が見たい。

嫌がり涙を流すその顔を、快楽の涙でグチャグチャにしたかった。





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