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第1章 プロローグ

書斎の襖を開けた十蔵は、廊下で待つ悦子の姿を目にした。旅館の女中を思わせるように跪いた彼女は、廊下の薄暗い照明の中で浴衣姿が淡い光をまとい、美しく映えている。その姿に一瞬目を留めた十蔵は、静かに頷いて口を開いた。
「その浴衣、よく似合ってるよ。」
彼の穏やかな笑みに、悦子は少し照れながらも満足げに微笑んだ。十蔵の背を追うように立ち上がった彼女は、玄関近くの電話へと導いた。

アンティークの椅子が電話台のそばに置かれており、十蔵はそこに腰を下ろすと、黒い受話器を取り上げた。その仕草は重厚な書斎や屋敷の雰囲気に溶け込み、時代を超えた光景のようであった。

「おう、わしだ…」と、受話器に向かって低く落ち着いた声を響かせながら、十蔵はちらりと悦子に視線を送った。その瞬間、悦子はすぐに彼の意図を察し、彼の前に跪くと、細長い白い指で十蔵の股間をそっと擦り始めた。そのなめらかで美しい彼女の指先に武骨な怒張がにぎられ、やさしい手つきで悦子は愛撫し始める。