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イツキとタマキ 〜本通り商店街〜
第1章 イツキとお絵描き
「これはショウコさんですよね?
セルフヌードですか?
鏡を見ながら描くの?」
キャンバスが立て掛けられている壁には1枚の大きな姿見があります
ここに映しながら自分で描いたのでしょう
「そう、ここに座ってこの位置なら鏡に映った姿を描けるのよ」
なるほど
ということはこの椅子は裸のショウコさんが座ってたんだなぁ、とついつい椅子の見方がかわりますね
「こっちはね、主人が描いたの」
立て掛けられているキャンバスのうち1枚を取り出しました
そこには今より少し痩せているショウコさんの姿
そして描き手が違うためか、とても官能的です
ショウコさんの描く裸婦が若干シンプルでナチュラルな表現をされているとしたら、ご主人が描かれた絵はもっと情熱的な表現で力強いタッチと色遣いのように思えました
まぁ、絵のことはよくわかりませんが!
若い時のショウコさんも、今のショウコさんもどちらも色っぽいな、と思いました
どちらも視線が艶っぽいのです
こちらをじぃっと見つめています
乳房のふくらみはとても大きく、陰影のおかげでとで重量感があるように思えます
そして下半身
アンダーヘアもしっかり描き込まれていて、筆で簡単に線を入れただけなどではなく、しっかり陰影をつけながらも、透けて見える地肌がとてもリアルです
「ご主人とタッチが違いますね、ショウコさんが描くものはとても繊細でキレイな印象ですが、ご主人が描かれたものはとても欲情的に見えます」
「そうね、わたしは静物画の延長で描いてるからかな? 主人は倒れる直前まで絵を描いていたのよ
これが最後に描きかけていた絵なの……」
ショウコさんは1枚の大きなキャンバスを引っ張ってきました
それは男性と女性が並んで立っています
女性の姿からしてモデルはショウコさんでしょう
男性のほうは描きかけ途中といった感じで、細部までは手が加えられていません
「ジロウ君、頼み事というのはこの絵のことなの、
わたしこの絵を完成させたいの
協力してくれる?」
ショウコさんは真剣な表情でボクを見つめていました