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イツキとタマキ 〜本通り商店街〜
第1章 イツキとお絵描き

ヨシエさんは団体さんのテーブルを片付けています


ヨシエさんは旦那さんをたてるタイプなのか、お店にいるときはとても無口です


外に出るときはけっこう話すんですけどね


ヨシエさんが洗い物をしているあいだに夏(か)さんはフロアに出てきてボクらのテーブルにつきました


団体さんが出て、小休止といったところでしょうか


「あれからヒデオのやつ、家でも絵ばっかり描いてるんだぜ?アンタの影響だな!
 だからすぐ絵の具を切らしちまうんだよ?」


と笑っていました


家というのは、ここの2階のことでしょう
2階で親子3人が暮らしているそうです


「なんか食べていくだろ?」

と言われ、ちょうどお腹も減っていたので今夜は中華料理にしましょう


ていうか最近はここで夕飯を済ませる事が増えました


ボクがささっと天津飯とラーメンを食べたんですが、子供たちふたりはテレビに夢中でまだまだ時間がかかりそう


ヨシエさんもエプロンを外して、こちらのテーブルについて食事休憩のようです


他のお客さんも食べ終わってしまったので、まったりした時間になりました


「ヨシエさん、ちょっと買い物してきたいんだけどイツキ見てもらってていいですか?」


「ええ、もちろん!もうこっちはこのまま終わると思うから」


ボクはイツキをお店に残してひとりで出ました



行き先は



ショウコさんのところです



時間が取れたことをメッセージで伝えておくと、すぐに返事が来ました


シャッターは下ろしてあるだけだから鍵はしてないの、そのまま上がってきて

との事


同じ商店街なので歩いてすぐにショウコさんの画材屋さんです


自分でシャッターを開け締めして、上に上がります



階段から上は暖房が効いて、とても暖かい


奥の部屋に進むと、笑顔で迎えてくれます


絵を描いてる途中の全裸のショウコさんが立っていました



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