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女性のための犯され短編集
第11章 家庭教師先の生徒に犯される
「ほら、採点終わった…よ」
「ありがと、何点だった?」
「ほとんど正解──…その、最後以外、ね。……あの、どうしていつも最後の1問だけ間違えるの?」
「知らないよそんなの」
「知らないなんておかしいよ…っ」
採点の終わったノートを返すと、こちらを見ている彼は、返されたノートにチラリとも目を通さない。
そんな彼は悪い顔で笑っている。
これだって、いつものお決まり…。
彼は頭は悪くないのに、解ける筈の問題をわざと間違えてくる。それも最後の1問だけ。わざとなのは明らかで。
「じゃあ間違えたところの解説するね……」
「言い返せないセンセ、不器用すぎて可愛い」
「変なこと言わないでってば」
「……いや、本気なんだけど」
「…っ…?」
目を大きくして驚く。
今度は何を企んでいるのか、検討も付かず盗み見た彼の顔は──微笑んでいた。
いつもの意地悪な笑顔に似ているけれど、少しだけ違う。
何故だが……今だけは純粋な優しさを感じる淡い笑顔をしていて、なのに、目だけはいつも以上に生き生きとしている。
夏休みだからと明るく染めている髪の隙間から、ひどく熱っぽい瞳が彼女を見据えている気がした。
「ほら、間違えたとこの解説してくれるんでしょ?……センセ」
「う、うん」
彼は両肘をテーブルに投げ出すと、腕に頭をもたれさせ、上目遣いでこちらを見上げてきた。
首をひねって脱力した彼の姿勢は、真面目とはほど遠い色気の塊──。
女の子みたいに色白で綺麗な顔立ちのくせに、ノースリーブの袖口から隆起した肩の筋肉が男らしい。